研究課題/領域番号 |
18K10894
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
和田 匡史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (00320101)
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研究分担者 |
地神 裕史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (30468970)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 睡眠 / 加温 / 運動 |
研究実績の概要 |
2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、睡眠関連の測定が実施することができなかったため、前年度までに実施したデータの整理を行った。本来であれば、国際学会にて発表する予定であったが、発表予定だった学会が中止となったため、旅費等の支出を行うことができなかった。 このような状況の中、日本アロマセラピー学会にて就寝前の香りが睡眠に与える影響について発表を行った。発表抄録は、【目的】睡眠不足は、翌日の集中力や注意力の低下、感情の起伏が大きくなるなど、疲労回復に影響を及ぼすことがある。アロマなどの香りは、リラックス効果や気分転換効果があり、就寝前にこのような効果のある香りを嗅ぐことが睡眠に良い影響があるのではないかとの仮説を立てた。本研究の目的は、香りが睡眠に与える影響を調べることである。【方法】本研究に参加した被検者は健康な成人男性であった。就寝前の香りは、ラベンダーとオレンジの香りを使用し、アロマディフューザーによって睡眠3時間前から部屋内を充満させた。睡眠の計測には、脳波計(脳波センサZA-X、プロアシスト社製)を用い、就寝前から起床まで頭部に電極を装着した。【結果および考察】Total sleep time(TST)は香りなしに比べ、オレンジとラベンダーが長く、就寝前の香りはTSTを長くする効果が見られた。Sleep latency(SL)は、ラベンダーとオレンジに比べ、香りなしが高値を示し、香りによってより早く眠れると考えられた。NREM total timeは香りなしに比べ、香りありの方が高値を示していた。ラベンダーやオレンジの香りは睡眠に良い影響を与える可能性が示唆された。スポーツ選手が国際大会などに遠征するときは時差ぼけ対策を検討する必要があり、睡眠の導入をスムーズに行う可能性の高いアロマなどの香りを使った対策は効果があると推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、被検者の確保、夜間睡眠実施環境の確保ができず、前年度までのデータの再確認やスポーツ選手の海外合宿など特別な条件のみの少ないデータを取得することしかできなかった。 しかし、膨大な脳波、活動計のデータがあり、これらを再確認し、次年度の発表に向けて準備することができた。 また北京パラリンピックアルペンスキー日本代表選手を対象に国内合宿および海外合宿の際に、事前に測定の練習を十分に実施し、携帯型脳波計、活動計、SPO2計、心拍計を持参させて、合宿中のデータ取得に努めた。 海外では入浴施設がないため、シャワーによって身体を温める方法で加温を実施した。シャワーおよびトレーニングによる身体加温の睡眠への影響について解析を実施している。 次年度は本成果をまとめて国際学会(アメリカスポーツ医学会、ヨーロッパスポーツ科学会など)にて発表を予定している。 コロナウイルスの状況変化により、次年度に向けて研究をまとめていく予定が立ったため、次年度中には研究成果をまとめる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は研究分担者とともに新型コロナウイルス感染症の状況を確認しながら、遅れている研究計画について早めのスケジュールを組み、国際学会等で研究成果の発表を実施する。 また被検者については、コロナウイルス感染症感染のリスクを考え、これまで数名で実施していた睡眠実験を1名1室で実施できるような環境を確保する。 得られたデータをより早く解析するために研究分担者の協力を仰ぐ。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に発表予定していた国際学会が中止となったため、未使用額が発生した。 2022年度では、国際学会(アメリカスポーツ医学会、ヨーロッパスポーツ学会など)にて発表を計画しているため、旅費執行が見込まれる。
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