研究課題/領域番号 |
18K10897
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
小林 勉 中央大学, 総合政策学部, 教授 (20334873)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社会開発 / 国際協力 / SDP / スポーツ |
研究実績の概要 |
本研究における今年度の研究実績の概要は主に次の2点である。 ①「スポーツ×SDGs」の時代を迎えつつある現在のスポーツの動向に関する検討:開発援助の領域において重要な枠組みになっている「国際レジーム論」の視点を援用して国際開発の枠組みの変遷を跡づけた。具体的にはJICAにおける「スポーツと開発」事業やスポーツ庁が打ち出してきた国際戦略などを焦点化し、日本でどのような政策が立案されてきているのかについて整理し、その全体像と課題について明らかにした。また、国連のSDGsの採択に連動して、スポーツ援助の方向性が「スポーツ×SDGs」へと考え方が推移する動向についても跡付けることができた。例えばオーストラリアでは、2019年には「Sport Diplomacy 2030」を提示し、「Global Strategy with a Pacific Focus」を掲げながら、スポーツがオーストラリアの外交に大きく寄与してきた「sport as a Diplomatic Asset」としての認識を前面に押し出してきている実相について明らかにすることができた。
②スポーツの創出する人的ネットワークの創発性に関する検討:スポーツ固有のアウトリーチ性を活かした支援によって、SDGsで掲げられた課題解決にいかに接合することができるのかについて、バヌアツ共和国のODAをもとに現地調査を実施した。具体的には、枯渇する沿岸資源の資源管理プロジェクトを対象に、Community Based Coastal Resource Managementアプローチでのスポーツの活用可能性について検証した。現時点ではまだ確固たる結論を導ける段階にはないが、社会開発事業でのスポーツの人的ネットワークの活用可能性について、一定程度の有効性を有するという検証結果をえることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で、調査対象地のひとつとなるバヌアツ共和国が日本人の入国禁止措置を行なったため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの影響が鎮静化次第、バヌアツ共和国に渡航し、現地調査を展開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で、調査対象地のひとつとなるバヌアツ共和国が日本人の入国禁止措置を行なったため。コロナの影響が終息次第、順次、現地調査を再開する予定である。
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