研究課題/領域番号 |
18K10898
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
向本 敬洋 東京理科大学, 理工学部教養, 講師 (60586147)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レジスタンス運動 / 運動後過剰酸素消費 / ベンチプレス / デッドリフト / スクワット |
研究実績の概要 |
レジスタンス運動は運動後の代謝亢進が長い時間持続することから、レジスタンス運動も体脂肪減少の目的のために幅広く実施されている。しかしながら、各種目のレジスタンス運動中および運動後のエネルギー消費の特徴について不明な点が多いのが現状である。 平成30年度は、実験1としてレジスタンス運動の三大基本種目である、ベンチプレス、デッドリフト、スクワットにおける運動中の酸素摂取量(VO2)および運動後過剰酸素消費(EPOC)を比較検討した。 健康な20歳代男子大学生7名を対象に、ベンチプレス、デッドリフト、スクワットを別日に5セット実施させ、運動後には座位安静を120分間維持させた。各種目の運動強度は全て最大挙上重量の75%とし、10回を目標に反復させた。運動終了直後に主観的運動強度(RPE)および血中乳酸濃度(La)を測定した。運動中および運動後の呼気ガスおよび心拍数(HR)は携帯型呼気ガス分析装置を用いて測定した。 運動中の平均VO2およびHRはベンチプレスに比べ、デッドリフトおよびスクワットの方が有意に高い値を示した。運動終了直後のRPEおよびLaは3種目の間で有意な差はみられなかった。EPOCは、ベンチプレスでは40分間、デッドリフトでは84分間、スクワットでは94分間まで観察され、EPOCの総量はベンチプレスに比べ、デッドリフトおよびスクワットの方が有意に高い値を示し、デッドリフトとスクワットの間には有意な差はみられなかった。 同一の運動強度に設定した場合、ベンチプレスよりもデッドリフトおよびスクワットの方が運動中のVO2およびEPOCを増加させることが観察された。3種目ともは大筋群を主に動員させる複関節運動であるが、運動中および運動後のエネルギー消費を高めるには、上半身の種目よりも背部および臀部、大腿部を動員させるレジスタンス運動の方が適していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に沿って、おおむね順調に実験、分析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に実施した研究結果をまとめ、学会発表および論文投稿を目指す。 令和元年度も同様に、若年男性を対象に、breath by breathによる呼気ガス分析法を用いて、異なる運動強度によるレジスタンス運動プログラムにおける運動後過剰酸素消費(EPOC)および運動後過剰エネルギー消費(EPEE)を測定し、運動後のエネルギー消費量を増加させる、または減量および体重増加の予防のための有効なレジスタンス運動における運動種目および運動強度、実施順序を検討することを目的に進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験協力者が当初の予定よりも少なくなったことが主な理由であり、次年度では予定の被験協力者を募り、実験を進めると同時に、その分に必要となる実験消耗品に利用する予定である。
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