本研究は、STAT6分子が筋芽細胞融合に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。本年度は、筋芽細胞におけるSTAT6の過剰発現が筋芽細胞融合に及ぼす影響を培養レベルで明らかにすることを目的とした。その結果、STAT6を過剰発現した筋芽細胞ではコントロール群の筋芽細胞と比較して、融合指数、分化指数、筋管細胞の直径および筋管細胞あたりの核数が有意に低く筋芽細胞融合を阻害したことを明らかにした。また、STAT6を過剰発現した筋芽細胞ではコントロール群の筋芽細胞と比較して細胞融合因子(Myomaker、Myomerger)の発現量が有意に低値を示したことを明らかにした。さらにSTAT6を過剰発現した筋芽細胞ではコントロール群の筋芽細胞と比較して筋芽細胞融合に関わる分子であるp38MAPKのリン酸化が有意に低値を示したことを明らかにした。
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