研究課題
基盤研究(C)
本研究は、水泳中の上肢運動をシミュレートさせた陸上での2つのタイプのスイムエルゴメータ(立位式および伏臥位式)を利用し、その高強度トレーニングのトレーニング負荷について筋電図測定および動作解析によって検討することを目的とした。その結果、立位式のスイムエルゴメータは、僧帽筋の筋活動が優位になるが上肢の筋群に対してバランスよく負荷をかけることができ、ベンチの上に伏臥位姿勢をとる伏臥位式エルゴメータは広背筋や腹直筋など特定部位の筋に負荷を与えられることが明らかとなった。
スポーツ科学
競泳は下肢よりも上肢から発揮される推進力が大きいという特徴があるため、上肢筋群に対する高強度トレーニングが重要であると認識されているものの、科学的根拠に基づいた有益な情報がないため、指導者の経験に基づいてトレーニング内容が決定されているのが現状であった。今回、普段トレーニング現場で用いられている2つのタイプのスイムエルゴメータを筋電図測定および動作解析によって分析し、それぞれの特徴を明らかにできたことは競泳の指導現場において新たなトレーニング方法を提示できると考えられた。