研究課題
サルコペニアは、転倒による怪我や骨折の危険性を増加させ、身体的自立の妨げや寝たきりへと進行する可能性が高く、高齢社会における疾病予防の観点から大きな健康問題とされる。日本の女子大学生の身体的特徴として、隠れ肥満を指摘する研究報告がみられる。また最近では、女子大学生の骨格筋指数(SMI)を測定すると、サルコペニア(加齢性筋肉減少症)診断基準を下回る対象者が一定数存在するとの報告もある。そこで本研究では、女子大学生の身体的特性を測定し、サルコペニア診断基準も踏まえて評価した。健康な女子大学生124名を対象とし、身体的特性として形態的(体格指数(BMI)・体脂肪率・SMI:バイオインピーダンス法)・機能的評価(握力・歩行速度)を調べた。サルコペニア診断としてAWGSの基準を用いた。BMIは20.6±2.9kg/m2であり、18.5 kg/m2未満(低体重)は24名、25 kg/m2以上(肥満)は6名だった。また、体脂肪率は26.4±5.7%であり、隠れ肥満(BMIが25 kg/m2未満で体脂肪率30%以上)は20名だった。SMIは5.92±0.60kg/m2であり、5.70 kg/m2(カットオフ値)未満は41名だった。一方、握力は26.3±4.0kg、歩行速度は1.43±0.43m/秒であり、カットオフ値未満は1名(握力)だった。女子大学生は、隠れ肥満よりもプレサルコペニア(筋量のみ基準以下)の該当者が多く、体脂肪量以上に骨格筋量の改善が必要であると示唆された。
2: おおむね順調に進展している
予定通りにデータの集積を行うことができ、論文化に向けた作業へと進むこともできている。
今年度は若年女性に特化したデータ集積であったため、若年男性データの集積や重篤患者のデータ集積に向けて実験を継続したいと考えている。
当初の予想よりも早期に有益な研究成果が出たこともあり、出版社から複数回、有料掲載の依頼がきたため。そのうちの1つ(英国からの依頼)に関しては2018年度ではなく、2019年度の刊行となったため、結果的には当初の2018年度予算で収まることとなった。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
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