研究課題/領域番号 |
18K10912
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
中原 英博 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (90514000)
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研究分担者 |
宮本 忠吉 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (40294136)
上田 真也 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (40616926)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インターバルトレーニング / 最大酸素摂取量 / 呼吸性代償閾値 |
研究実績の概要 |
本年度の研究は,週に1回の高強度インターバルトレーニングが,日ごろからトレーニングを行っている運動鍛錬者の最大酸素摂取量(VO2max)や呼吸性代償閾値(RCP),並びに左室心筋重量にいかなる影響を及ぼすかを検討することを目的に行った。運動部に所属する男子大学生20名を運動鍛錬群10名と対象群10名にそれぞれ振り分けた。週に1回の高強度インターバルトレーニング前後で,自転車エルゴメータを用いた漸増負荷運動を行い,VO2maxとRCPを求め、其々の地点の換気諸量を測定した。また,心エコー装置を用いて左心室の形態及び機能の測定を行った。運動鍛錬群対象に実施した週に1回の高強度インターバルトレーニングは,漸増負荷運動テストによって求められた最大負荷量(watt)の80%負荷を疲労困憊まで持続させ,3分間の休憩期を挟み合計3回繰り返す様式を用いた。インターバルトレーニングの頻度は週に1回,期間は2ヵ月間実施した。週に1回の高強度インターバルトレーニングを実施した結果,運動鍛錬群にのみVO2max及びRCPでの酸素摂取量及び左室心筋重量の有意な増大が認められた(p<0.05)。これらの結果から,週に1回の高強度インターバルトレーニングは,アスリートの呼吸循環機能の改善に有効であることが明らかになった。本研究の結果は,週に1回の低頻度で効果を発揮する革新的なトレーニング手法の確立につながると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の実験計画は,概ね順調に進展した。今後本研究の内容が,他の運動鍛錬群,すなわち柔道選手などのパワー系アスリートにも対応可能か,もしくは実際のフィールド上のパフォーマンスにおいてHITが有用か否かを検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,本学の柔道部の学生を被験者として用いて,HITを実施することを計画している。さらに,岐阜大学とも共同研究を行い,サッカー選手を対象にHITを行い,フィールド上でのパフォーマンスにいかなる影響を及ぼすか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は,本インターバルトレーニングが,アスリートのフィールドでのパフォーマンス向上に有効か否かを検討するために,フィールドでのパフォーマンス追跡用デバイスを導入する予定である。
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