本研究は「食物アレルギーの予防・寛解ツールとしての運動の効果」の観察を目的として,自発運動の実施がOVA経皮曝露に及ぼす影響について検討を行った。マウスを安静群および運動群に群分けし,運動群マウスにおいてはランニングホイールにて運動を実施させた。また安静群を含むすべてのマウスにOVA経皮曝露を実施した。OVA経皮曝露は,背部にSDSおよびOVA溶液を負荷することにより行なった。その結果,OVA特異的IgE濃度は安静群に比べ運動群において有意な高値を示した。このことはOVA経皮曝露時の自発運動が,食物アレルギーを引き起こすアレルゲン特異的IgE抗体産生を亢進させる可能性を示唆するものであった。
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