光環境の変化や夜型のライフスタイルの拡がっていることから、大学生の睡眠は質・量とも低下している。この睡眠習慣の変化は学業など日中の生活活動にも悪影響をもたらしていると考えられる。したがって、大学生の睡眠の質・ 量の改善の手立てを確立することは早急に対処すべき課題である。 本研究は適切な睡眠・覚醒リズムを獲得するための身体活動の役割を検討するために、大学生の睡眠・覚醒リズムを大規模サンプルを対象とした客観的指標の測定と質問紙調査によって評価した。本研究の結果、大学生の睡眠習慣はライフスタイルに大きく影響を受けており、とくにアルバイトや課外活動などの夜間の身体活動、通学時間に影響を受けていた。また、睡眠とメンタルヘルスとの関わりについても考察することが出来た。これらの成果は、2021年度には加速度計を用いて評価した身体活動量と睡眠やメンタルヘルスの関連性について、2023年度はCOVID-19環境下での大学生の睡眠などのライフスタイルとメンタルヘルスの関係について、および、大学生の昼間の眠気とライフスタイルの関係について、それぞれ国際学術誌に公表することが出来た。 2023年5月から、COVID-19 は「5類感染症」に取扱いは変更となり、それ以降はコロナ蔓延前まで実施していた加速度計を用いた客観的指標の測定をようやく再開することが出来た。現在、既に得られたデータに加え、さらなる被験者の測定およびデータの分析作業を進めており、本研究の成果として国際学術誌にデータを公表していく予定である。
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