研究課題/領域番号 |
18K10935
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
内田 英二 大正大学, 心理社会学部, 教授 (50213434)
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研究分担者 |
神林 勲 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70214731)
塚本 未来 東海大学, 国際文化学部, 助教 (70548734)
木本 理可 藤女子大学, 人間生活学部, 准教授 (70587394)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 夜間睡眠 / 青少年 / 自律神経系活動 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、青少年における睡眠と自律神経系活動の関連に着目し睡眠習慣改善に寄与するプログラム構築を目指すものである.その目的は長期的短期的に確認可能な睡眠関連指標と自律神経系活動の関係を明らかにし,効果的な睡眠改善プログラム開発と効果検証を行うことである. 初年度である2018年度は、①青少年の生活習慣を確認するための質問紙を試作すること、②測定機器を用いた自律神経系活動の測定方法の検討、の2点について実施した。①の質問紙調査の検討については、これまで遂行してきた研究で用いてきた生活行動記録表をベースとして食行動、身体活動状況が確認できるような様式とすることとした。また睡眠調査は長期的な睡眠傾向を評価するためにピッツバーグ睡眠調査票を用い、測定期間中の起床時に行うOSA起床時睡眠感調査票の2種類の調査を行うこととした。②については測定機器(TAS9view)およびその機器と接続するパーソナルコンピュータを購入し、測定環境の確認を行った。 以上の準備に基づき測定条件を確認するための予備調査を行った。被験者は6名として5日間連続での測定を行った。睡眠調査はOSA起床時睡眠感調査のみ実施し、測定期間中の毎朝起床時に記入した。また自律神経系活動測定は測定期間の前後に実施した。被験者には測定全般に関わる感想を確認した。その結果、自律神経系活動測定時には静穏な環境を確保する必要から実験室内の環境を改善するための施設設備を整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は,①予備調査に向けた準備として包括的な生活習慣に関する質問紙調査の検討、②自律神経系活動を測定する機器の購入および測定方法の検討、の2点について実施した。 まず①の質問紙調査の検討については一定期間採取する生活行動記録に食行動、身体活動状況が確認できるような様式とすることとした。また併せて実施する睡眠調査は長期的な睡眠を評価するピッツバーグ睡眠調査票および睡眠記録測定と併せて測定期間中の起床時に行うOSA起床時睡眠感調査票の2種類の調査を行うこととした。②の自律神経系活動測定については予定通り機器を購入し、測定方法の確認を済ませた。 これに基づいて後期期間では質問紙調査と自律神経系測定機器を用いた予備実験調査を行った。主に自律神経系活動における測定プロトコルの調整と測定環境の検討を目的として行った。測定プロトコルは当初の計画通りで問題ないことを確認できたが、測定環境については、実験室内をパーテーションで仕切り静穏な環境とすること、リラクゼーションが保てるような姿勢を保持できるような椅子を使用すること、の2点について改善が必要であることを確認したため、必要な備品、設備を設置した。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は前期において、対象者の募集と説明および同意書の回収を行う。対象者はおおよそ健康な大学生30名を募集し、同意の得られた対象者に説明文書の配布および同意書への署名を得る。生活習慣等に関する質問紙調査を行い、予備調査および予備測定でおおよそ確定した方法を用いて代表者が最終的な予備測定を行う。修正は研究組織のメンバー全員で行う。後期は代表者が中心となって自律神経系活動の測定を実施する。実施に際しては前年度後期からの予備調査を踏まえて実施する。また測定によって得られた睡眠記録と自律神経系活動のデータを解析し、その関連性を評価する。 2020年度は前期において、2019年度に得られた分析結果をもとに睡眠改善プログラムを検討する。なお、プログラムの内容は睡眠に関することを中心にとして日常生活の中で睡眠の何に気を付ければ良質な睡眠が得られるかについて測定結果を踏まえた知識の提供と課題解決などを交えたものにする。後期は改善プログラムの介入効果を検討するため介入前後において自律神経系活動および睡眠指標の測定を実施するとともに、質問紙調査によって生活習慣等の変容についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度の調査準備および実施した予備的調査に対して支出を予定していた研究協力者謝金が少額となったこと、および測定機器を予算より安価で購入できたこと、から残額が生じた。2019年度は当初の計画に加え測定機器を制御するPCに接続するプリンタの購入によりシステムを整備することを計画している。
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