研究課題/領域番号 |
18K10938
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
加藤 知己 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (90214387)
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研究分担者 |
西川 浩昭 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (30208160)
古賀 初 東京電機大学, 工学部, 講師 (40287446)
金築 智美 東京電機大学, 工学部, 教授 (40468971)
木村 憲 東京電機大学, 工学部, 教授 (60408648)
石原 美彦 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (40761557)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 体育授業 / 大学生 / 精神的健康度 |
研究実績の概要 |
2019年度データの体育受講群および対照群において,両群ともに4月時点に週1回の運動習慣がない者を抽出して(体育受講群:n=178,対照群:n=72),GHQ得点を比較した.しかし,両群とも7月時に上昇し,2元配置の分散分析の結果,交互作用は得られなかったため(体育受講群:2.89(4月)→3.38(7月),対照群:5.17(4月)→6.01(7月)),その原因について検討した.その結果,対照群のGHQ得点低位者(0~2点)は約32%であるのに対して,体育受講群にはほぼ倍の約63%の低位者が含まれていることが体育授業の受講効果をマスクしている可能性があるものと考えられた.そこで,両群ともに健常な低位群を除外し,GHQ得点3点以上の群(体育受講群:n=66,対照群:n=49)を対象に再分析を実施した.その結果.4月時点におけるGHQ得点は両群ともにほぼ同様の6点余り(体育受講群:6.29,対照群:49)となった.そして,7月には,体育受講群は4.79に低下し,一方対照群は6.76とやや上昇する傾向を示した.分散分析の結果,交互作用が認められ(p<0.05),下位検定において両群ともに4月と7月の得点に有意差(p<0.05)が認められ,GHQ得点が比較的高い群(≧3)において,体育受講による精神的健康度への向上効果が示唆される結果が得られた.次の分析段階として,これらの結果に与える要因について検討を進める予定であるが,現段階では,GHQ得点の推移に相関して,自校における友人数の増加が体育受講群の方が対照群に比べて有意に多くなる傾向(体育受講群:9.5人(4月)→25.7人(7月),対照群:8.6人(4月)→15.0人(7月))が認められるため,この点がGHQ得点に影響する可能性が考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により調査実施が不可能な事態となったため,研究機関の1年間の延長を申請し,承認された.現在も,コロナ禍の中,様々な制約はあるものの,現在のところ,研究最終年度の4月調査を実施し終え,当初の実施計画に基づいて研究活動は順調に進んでいる. 2018年度(初年度)では,体育授業における精神的健康度に対する寄与を確認できなかったため,次年度の2019年度においては,生活習慣に関して健康教育的介入を強化して体育授業を展開した.その結果,上述した通り,GHQ得点が低い者(≦2)を除く集団を研究対象として分析を行った.その結果,対照群との比較から,体育受講群に対する精神的健康度の維持向上する効果が示唆される結果が得られた.最終年度の2020年度においても引き続き,健康教育的介入を強化した同様の体育授業を展開する予定であったが,新型コロナウイルスの感染拡大により,研究対象とする体育授業を開講することができなくなった.そのため,2020年度末に研究期間の延長を申請し,2021年度を最終年度として研究を進めることとなった.現在,体育受講群(約450人)および対照群(約130人)に対して4月の調査(初期値)を実施し終えたところであり,2021年度において研究活動は順調に再開され,7月調査の実施方法について今後検討に入る段階にある.
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今後の研究の推進方策 |
先にも述べた通り,現在,新型コロナウイルスの感染状況が予断を許さない状況にあるため,7月の調査を対面で実施できない状況も想定される.仮にそのような事態になった場合には,電子メールを用いて調査の実施することも予定しており,状況に応じて準備する方針である. 分析については,最終年度データについても,まず令和元年度データ同様に単年度で統計処理を行い,同傾向が認められた場合には,両データをマージして統計分析を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により,研究対象である体育授業を開講することができなくなり,2020年度において研究を中止せざるを得なくなったため.
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