研究課題/領域番号 |
18K10939
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
高柳 雅朗 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80287523)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 解剖学教育 / 学習教材 / ペーパークラフト / 遠隔授業 / 医療従事者養成 / フロー / 紙工作 |
研究実績の概要 |
解剖学は医療従事者を目指す学生にとって重要な科目であるが、教科書等の平面資料のみによる立体的な理解は難しい。ペーパークラフトは立体造形であり、その組立てはフロー状態を促すことから、解剖学学習に有用な新たな学習教材になると期待される。他方、遠隔授業においては、印刷したペーパークラフト展開図を学生に配布し、あらかじめ組み立てることで、予習そして遠隔授業の受講時に学生は手元で立体的に確認しながら学習できる。教育機関における履修学生へのペーパークラフト教材の準備・配布の費用は、市販模型を学生数購入する場合に比べ、はるかに低コストに抑えることができる。これらのことから、本研究は学習教材として実物大の人体解剖学ペーパークラフトの開発を目的とした。 これまでに実物大の食道、胃、十二指腸、左右の肺、左右の腎臓、脾臓、頭蓋骨の学習教材ペーパークラフトの展開図および組立て説明書を設計した。立体的に各臓器を学習できるように、展開図には各臓器の解剖学や生理学の情報を記載した。 食道のペーパークラフトの展開図は5部品からなり、A4紙1枚に収まった。胃のペーパークラフトの展開図は14部品からなり、A4紙3枚に収まった。十二指腸のペーパークラフトの展開図は6部品からなり、A4紙1枚に収まった。左右の肺のペーパークラフトの展開図はそれぞれ18部品と22部品からなり、いずれもA4紙6枚の計12枚に収まった。左右の腎臓のペーパークラフトの展開図はそれぞれ5部品からなり、いずれもA4紙1枚の計2枚に収まった。脾臓のペーパークラフトの展開図は8部品からなり、A4紙1枚に収まった。頭蓋骨のペーパークラフトの展開図は33部品からなり、A4紙7枚に収まった。組立て説明書は各A4紙1枚の計9枚となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症およびその拡大防止対策のための政府や自治体そして所属機関の政策および方針等により、様々な影響を受け、研究遂行に大きな支障をきたした。このため、これまでに展開図および組立て説明書を完成した臓器の種類は、最終目標としている臓器の種類に達していない。更に、新型コロナウイルス感染症の対策である自粛要請や3密(密閉空間、密集場所、密接場面)の回避等のため、質問紙調査を実行できなかった。これらの理由により、現在の進捗状況を判断した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症および感染拡大防止対策等について、今後の動向や先行きを判断することは非常に難しく、終息の目処はたっていないと判断される。このため、今後の研究の推進方策として、各臓器の展開図および組立て方説明書の作成に重点を置く。これまでの開発および質問紙調査から得られた示唆を展開図および組立て方説明書に反映させ、より作りやすく短時間で完成できる展開図を目指す。具体的には、3Dモデリングにおける頂点数、辺数および面数を減らし、展開図におけるノリシロ数を減らして組立ての難易度を下げる等により、組立て時間の短い展開図の作成を目指す。学習教材として学習効果を高めるための工夫である、展開図内への解剖学や生理学の情報の記載、学習教材向けの配色、重要な専門用語への英語併記等はこれまで同様に実施する。また、学会発表及び論文による発信を行う。質問紙調査は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況および感染拡大防止対策等を考慮し、行わないこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、残りの内臓のペーパークラフト展開図および組立て方説明書の開発と、ペーパークラフト学習教材の評価調査(質問紙調査)を計画し、開発および評価調査の消耗品費に当該助成金を使用予定としていた。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策により、開発に遅れが生じた。また、感染防止対策により評価調査を行うことができなかった。他方、学会の発表形式が新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策により変更となり、旅費を抑えることができた。このため次年度使用額が生じた。 次年度の当該助成金の使用予定は、残る内臓のペーパークラフト展開図および組立て方説明書の開発および作成のための消耗品(プリンタ用紙、組立て用消耗品等)、そして学会発表のための経費および論文作成費に用いる。
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