研究課題/領域番号 |
18K10942
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
深見 英一郎 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (10351868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 運動部活動 / 主導性 / 選手選考 / チームの方針 / 補欠選手 |
研究実績の概要 |
当初、優秀な体育教師の体育授業を対象にすぐれた教授技術を検討する予定であった。しかし、学期の平日に学校訪問できず当初の計画で研究を進めることができなかった。そのため、研究対象を土日に対応できる運動部活動の指導者に変更してすぐれた指導法を検討することにした。 2019年、部活指導のガイドラインをふまえ、部活動の指導者が部員に対して適切な指導、コミュニケーションの充実等により、部員の意欲や自主性を促しているか、また部員の主体性を重視した部活動は部員に受け入れられているかを検討した。その結果を、以下の学術論文にまとめた。 深見・井上(2019)運動部活動における指導者の主導性に関する意識と部員の形成的評価との関係. 体育学研究,64-1 2020年、高校野球の指導者を対象に、望ましい選手選考の在り方に関する調査を実施した。多くの部員がいるチームでは、必然的に試合に出場できない部員が出てくる。選手選考の基準や方法はチームによって様々であると予想されるが、補欠選手も含めてすべての部員が納得できる選手選考が理想であると考えられる。指導者と部員両者が納得する選手選考の条件を明らかにし、適切な手続きのもと円満な選手選考が実施できれば選手の競技意欲やチームの競技成績につなげることができると考えた。運動部活動における選手選考の在り方に関する調査を行い、データを回収・処理を進め、以下の学会大会にてポスター発表を行った。 Eiichiro Fukami, Desirable players selection in the high school baseball championship. Secretariat of the 2020 Yokohama Sport Conference, September, 2020(Online)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、運動部活動の指導者及び部員たちを対象に、運動部活動における望ましい選手選考の在り方に関する調査を実施した。選手選考は指導者とすべての部員にとって最も高い関心事の1つであり、指導者は熟慮を重ねて選手選考を行っていると予想される。試合出場及びベンチ入りする人数は競技毎に異なるが、多くの部員がいるチームでは、必然的に試合に出場できない部員が出てくる。選手選考の基準や方法はチームや指導者によって様々であると予想されるが、補欠選手も含めてすべての部員が納得できる選手選考が理想であると考えられる。そこで本研究では、運動部活動において選手選考がどのように行われているか、その現状を明らかにするとともに、指導者と部員両者にとって望ましい選手選考の在り方への示唆を得ることを目的とした。指導者と部員両者が納得する選手選考の条件を明らかにし、それを共有することに加えて、適切な手続きのもと円満な選手選考が実施できれば選手の競技意欲やチームの競技成績につなげることができると考えた。 最終年度は、1)運動部活動における選手選考の在り方に関する調査用紙の作成、2)部活動指導者に対する調査の実施という2つを実施した。1)に関しては、学校現場で実際に運動部活動の指導経験がある大学研究者らが、スポーツ庁(2018)が示した運動部活動の指導ガイドラインをふまえ、また日頃から部活動指導に取り組まれている複数の指導者からの多様な意見を参考にして調査用紙を作成した。2)に関しては、全国の中学校・高等学校から広く多様なデータを収集するために、全国の地域から偏りなく調査協力校に依頼して調査を実施した。ただし、新型コロナウイルス感染症への予防対策のため、調査結果の回答用紙をすべて回収できておらず、論文作成するにはデータが不十分であるため計画が滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
まず調査用紙の回答結果をすべて回収し、十分なデータを揃え処理を進め、学術論文としてまとめ学会誌に投稿する。具体的には以下のような研究論文としてまとめる予定である。 選手選考とは、チームとして「どのようなメンバーを構成し、何を目指すのか」という、チームの活動目標・方針の根幹に関わる重要事項である。チーム状況によって、あるいは指導者や部員、保護者などの立場によって考え方や好み、相性などが様々に異なり、各々が理想とする選手選考は一様ではない。例えば、勝つことだけを考えれば部員の生活態度や人間性は無視して純粋に技能の高い選手のみを選考すればよい。一方で、一生懸命がんばっている部員や人が嫌がる雑用等を率先してやってくれる部員は多少実力が伴わなくても、指導者は試合に出場させたいと考えるだろう。選手登録メンバーの選考者については,すべての部員と指導者が話し合って決定していること,また選考基準については勝つことだけでなく、日頃の練習態度や学校での生活態度なども考慮して選考されていることが望ましいと考える。 他方で、当初の目的は学習指導要領に示された各運動領域で習得が期待されている内容(技術・戦術など)について、すぐれた体育教師はどのような指導方法や指導言葉を用いて指導しているのかを明らかにすることであった。この研究を踏まえて、学習指導要領で取り扱われている運動領域の技術・戦術や動作の指導方法にフォーカスした教師用の指導手引書の作成につなげたいと考えていた。この手引書を活用することにより、多くの教師が自身の専門外の運動・スポーツを含む、すべての運動領域について自信をもって指導することができ、運動の苦手な生徒をはじめとする、すべての生徒たちに運動技術を習得させ、彼らの愛好的態度を高めることができるようになると考えた。この研究についても別の機会でまとめてみたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度は、1)運動部活動における選手選考の在り方に関する調査用紙の作成、2)部活動指導者に対する調査の実施という2つを実施する予定であった。1)に関しては、学校現場で実際に運動部活動の指導経験がある大学研究者らが、スポーツ庁(2018)が示した運動部活動の指導ガイドラインをふまえ、また日頃から部活動指導に取り組まれている複数の指導者からの多様な意見を参考にして調査用紙を作成した。2)に関しては、全国の中学校・高等学校から広く多様なデータを収集するために、全国の地域から偏りなく調査協力校に依頼して調査を実施しようとした。ただし、新型コロナウイルス感染症への予防対策のため、当初予定していた学校に対して調査用紙を送付することができず、また調査結果の回答用紙をすべて回収できず研究費が費消できなかった。来年度は、未送付の学校に対して調査用紙を送付し、また調査結果の回答用紙をすべて回収し、データをそろえて論文作成する予定である。
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