研究課題/領域番号 |
18K10944
|
研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
稲垣 良介 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (20583058)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 水難事故 / 未然防止 / 着衣のまま水に落ちた場合の対処 |
研究実績の概要 |
本年度公表した主な研究成果は,下記(①~⑧)の通りであった.①学校体育における水難事故の未然防止に資する指導内容に関する基礎的検討-大学生の「海水浴場の旗」に対する認識を調査して(査読付研究誌「体育科教育学研究」35巻2号,pp33-41,2019)水難事故の未然防止に関しては,水泳の授業の有無にかかわらず小・中学校(体育・保健体育科)で必ず指導することとされる「『水遊び』及び『水泳運動』の心得」(文部科学省,2018a)・「水泳の事故防止に関する心得」(文部科学省,2018b)の指導内容と併せて検討を進める必要があるとの示唆を得た.その他,研究発表(②~⑤)及び著書(⑥~⑧)に成果報告した.②ライフジャケットを用いた着衣泳の授業が中学生の水難事故の未然防止に資する認識に及ぼす効果(稲垣良介・岸俊行,教育医学会第67回大会,2019),③水遊び及び水泳運動の心得の指導内容に関する基礎的検討(第一報)-地域特性別にみる児童の水辺活動実態-(稲垣良介・岸俊行・佐藤善人,日本体育学会第70回大会,2019),④地域河川における水難事故防止学習が中学生の予防行動の意図に及ぼす影響(稲垣良介,スポーツ教育学会第39回大会,2019),⑤わずか4日間で児童に背泳ぎで泳がせる指導法の開発(森山進一郎・佐藤 悠太郎・豊田郁豪・渡邉泰典・稲垣良介,スポーツ教育学会第39回大会,2019),⑥水泳における安全指導(鈴木秀人他編,中学校・高校の体育授業づくり入門,pp207-213,学文社,2019),⑦水泳の安全(公益財団法人日本水泳連盟編,水泳指導教本三訂版,pp108-117,大修館書店,2019),⑧「着衣のまま水に落ちた場合の対処」と事後指導をセットで行う水辺安全活動(稲垣良介・森山進一郎・渡辺泰典,教授資料,pp1-4,大日本図書,2019)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由として,水難事故の防止に資する危機管理能力の育成を企図した学習プログラムを開発するため,①中学校において地域河川を利用して水難事故防止学習を前年に引き続いて実施し,学習効果測定を実施、分析,研究報告したこと,加えて,座学による事後指導による教育効果測定を実施したこと,②山間部・沿岸部・都市部の児童に対して,実施した水辺活動における安全に資する認知に関する実態の分析を遂行中であることが挙げられる.これらは,2020年度における関連学会(日本体育科教育学会,体育学会他)で公表する予定である.
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は下記の通りである. ①実態調査及び文献調査の結果をもとに,水泳学習における「心得」の学習内容に関する指導内容の開発を遂行する. ②着衣泳及び地域河川を利用した水難事故防止学習に関連して,学習効果測定に基づき,より有効なプログラムを検討すべくパイロット授業を実施する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究が予定より早く進捗したため次年度使用額が生じた.令和2年度は,令和元年度に遂行した教育現場における学習効果測定及び実態調査の結果を踏まえ,着衣泳及び地域河川を利用した水難事故防止学習の事後指導を改訂した内容で実施し,資料を収集するとともに,心得に関する教育内容を明らかにしたうえで,中学生を対象にしたパイロットテストを継続する.そのため,機材(救命胴衣等),運搬費用,実践及び調査に要する旅費,謝金等に充てる予定である.
|