水難事故は、生命に直結する重大事故につながるケースが多く、水難者に対する死者・行方不明者の割合が著しく高い。その対策は、社会的な課題である。従前の水難事故防止を企図した授業の内容は、水難時に有効とされる技能に焦点化されてきた。本研究では、未然に水難事故を防止するために有効とされる意識に対する授業の影響に着目した。事後対応的な危機管理能力だけでなく、未然防止的な危機管理能力を企図する授業を構築するには、学習者の意識について検討することが必要となる。本研究は、プールと河川で実施した2つの異なる実習が学習者の意識に及ぼす影響を明らかにした点で意義が認められる。
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