本研究は、合目的な身体運動の生成に対する複数の感覚の影響を検討することで、運動生成と感覚の相互作用・干渉となるクロス・モダリティまで検証の枠組みに拡張したこと、および注意水準との関係を明らかにしたことは、身体運動の複雑性が時間依存した系であることを解明することになり、従来の運動制御や運動学習の研究にはない知見を得たという学術的意義をもつ。また、複雑な身体運動を統合的に理解し、運動心理学の視点に基づいて身体システムを検討することによって、マルチ・モダルを踏まえた学習支援の機器開発に繋がるという社会的意義も有する。
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