本研究はターゲットの捕捉課題において,引き込み現象を利用した幼児のタイミング能力獲得支援法の開発を試みることを目的とした.一連の研究を通して主に以下のことが示唆された.①低速で移動するターゲットが被験者の移動の軌道に影響を与える.②ターゲットと被験者の距離が小さい条件の方が空間的制限の影響が小さく,捕捉の難易度は低くなる.③ターゲットが視覚的に迫ってくる刺激の提示が,幼児(特に高月齢児)の捕捉に影響を与える.④ボールと被験者の距離が関係するボール捕球では,発達に応じた課題の設定が必要である.以上の知見を踏まえた環境設定を行うことで,幼児のタイミングの獲得を支援することが期待できる.
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