2022 年度実績報告書

タンデム自転車エルゴメータを用いた受動動作による末梢及び中枢血流応答

研究課題

研究課題/領域番号	18K10950
研究機関	川崎医療福祉大学
研究代表者	小野寺昇川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
研究分担者	片山敬章名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40343214) 荻田太鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50224134) [辞退] 彦坂和雄川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (60129004) 斎藤辰哉鳥取大学, 医学部, 助教 (60758085) 細川貴之川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30415533) 和田拓真川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (00803909)
研究期間 (年度)	2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード	タンデムサイクルトレーナー / タンデム自転車エルゴメーター / 酸素摂取量 / 心拍数 / 血圧 / 受動運動 / 脳血流 / 主観的運動強度
研究実績の概要	タンデム自転車エルゴメータを開発し、エルゴメータの運動負荷機材としての信頼性と妥当性を検証し、論文にまとめた。このタンデム自転車エルゴメータを用い、後ろ乗り者が能動運動を行い、前乗り者はペダルに足を置き、受動運動を行うというデザインを考案した。前乗り者にかかる負荷を同一にするために後ろ乗り者が1名で前乗り者6名のペダリングを行った。前乗り者の心拍数、血圧は有意に増加し、酸素摂取量も同様に有意に増加した。同時に脳血流量の有意な増加も認めた。データの信頼性を高めるため、後ろ乗り者が前乗り者になり受動運動、前乗り者が後ろ乗り者になり能動運動を行い、検証した。同様の結果を得た。これらの実験結果から受動運動においても呼吸循環器系が賦活し、脳血流にも影響を及ぼすことが示された。一連の研究成果は、ヨーロッパスポーツ科学会議（ECSS2022）において発表した。 2022年度（令和４年度）においては、タンデム自転車走行時の酸素摂取量をダグラスバッグ法で測定する新しい方法を考案した。この方法論を用いて、前乗り者の身体的なストレス(27.0ml/kg/min ± 3.58)が後ろ乗り者(22.9ml/kg/min ± 4.76)よりも有意に高い(p<0.05)ことを証明した。この成果をヨーロッパスポーツ科学会議（ECSS2023）において発表した。この成果は、タンデム自転車走行時のエネルギー消費量を定量した初めてのフィールド実験の成果である。コロナ感染症の影響を受けて被験者の確保が難しい環境になったため研究内容を一部変更し、タンデムサイクルトレーナーを考案し、作成した。この機材は、タンデム自転車エルゴメータとタンデム自転車を用いたフィールド実験の間の環境を埋める機材としての役割を果たした。この機材の妥当性と信頼性を検証し、日本体力医学会中四国地方会において発表した。