本研究課題では、高齢者における注意制御機能(注意の分配・持続・選択)が自転車運転のパフォーマンスとどのような関係を有しているかを明らかにすることを目的とした.自転車走行シミュレーション環境下で大学生と高齢者を対象に二重課題実験を行った。COVID-19流行拡大により研究協力者の参加が困難となり,予定していた実験を実施できなかった。 高齢者について得られた成果は次の通り:1)二重課題下における認知作業成績は,大学生に比べて反応時間が長く,正確さが重視された. 2)二重課題下における自転車操作は,速度より操作の難易度の影響が見られた. 3) 注意配分機能に操作の難易度の直接的効果は見られなかった.
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