研究課題/領域番号 |
18K10973
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
八田 有洋 東海大学, 体育学部, 教授 (20312837)
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研究分担者 |
花岡 美智子 東海大学, 体育学部, 准教授 (20375471)
宮崎 誠司 東海大学, 体育学部, 教授 (90297250)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ピラティス / ファンクショナルムーブメントスクリーン / アライメント / コンディショニング / 腰痛 / 学生アスリート |
研究実績の概要 |
ピラティスは、リハビリテーションとコンディショニングを目的として考案されたエクササイズであり、胸式呼吸を意識し、深層筋(インナーマッスル)と柔軟性を向上させて体幹を強化し、身体機能を整える効果が期待される。しかし、ピラティスの効果を科学的に検証し、コンディショニング法に応用した研究報告はみられない。本年度は、女子学生アスリートを対象にピラティスの効果をファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)を用いて客観的に評価し、ピラティス介入によって身体機能、体幹及びアライメントが改善するか否かを明らかにすることを目的とした。参加者は、体育会運動部に所属する女子学生17名(バレーボール6名、ハンドボール9名、長距離2名)(年齢19.8±1.4歳、身長164.9±7.7cm、体重58.9±6.6kg)であった。参加者は、資格を有するインストラクター指導の下、週1回30~40分のピラティスを12回実施した。また、参加者に対して毎回、内省報告の調査を実施した。その結果、FMSのトータルスコアは、介入前(16.2±1.9)よりも介入後(18.1±1.5)に有意に向上した(p<0.001)。特に、介入後に改善したのはロータリースタビリティ(RS)(p<0.001)とショルダーモビリティ(SM)(p<0.05)であった。RSは腰椎-骨盤帯の安定性と四肢を挙上し、矢状面及び水平面上における体幹の安定性を評価する基礎的動作である。SMは、肩甲骨-胸郭の可動性、肩関節の可動性を評価するものである。さらに、「体軸(アライメント)を意識できた」、「腰痛が軽減した」などの内省報告が得られた。したがって、ピラティスメソッドは、学生アスリートの「体幹の安定性」と「肩関節の可動性」を改善させる効果があり、腰痛の軽減と体軸バランスを意識させる有効なコンディショニング法であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、学生アスリートに参加協力が得られたため、ピラティス介入効果について対照群との比較検討を行うことができた。また、対照群を対象にピラティス介入前後にイージーテックプラスを用いて脚筋力測定を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、ピラティス実施中に腹筋群と背筋群の筋電図を記録すること、また、ピラティス介入前後に運動神経伝導速度を測定することで、ピラティスメソッドによる神経筋促通効果について明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の使用額が当初よりも減額されたことが次年度使用額が生じた主な理由として挙げられる。次年度は、研究分担者への分担費として使用する予定である。
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