研究課題/領域番号 |
18K10982
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
脇本 敏裕 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (90550898)
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研究分担者 |
高尾 俊弘 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00243824)
藤本 壮八 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00319948)
門利 知美 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10781552)
山中 義之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30368625)
斎藤 辰哉 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 契約研究員 (60758085)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 精神的健康状態 / ロコモティブシンドローム / 勤労者 |
研究実績の概要 |
我々はロコモティブシンドローム発症の背景にメンタルヘルスの悪化が関連しているとの仮説を立てた。現在までに健康診断受診者である、壮年者・中年者において身体の痛み、生活習慣、健康診断結果の関連性に関する調査を行った。壮年者において、身体の痛みを感じている者において立ち仕事時間が長いこと、睡眠での休養が十分であると感じていない者が多いことが明らかとなった。中年者においては年齢が高くなるほど痛みを抱える者が多く、睡眠で十分に休養が取れていないと感じている者において痛みを感じる頻度が高いこと、精神的健康状態の指標であるWHO-5の得点が痛みを感じている者において不良であることが明らかとなった。痛みの有無を従属変数としたロジスティック回帰分析から、腰痛では壮年者、中年者の双方で、精神的健康状態が腰痛の有無に影響し、壮年者では年齢が低いほど痛みを感じやすく、中年者では年齢が高いほど痛みを感じやすいことが明らかとなった。また、手足の痛みでは、壮年者では立ち仕事時間の長さのみが痛みの有無に影響した。中年者では腰痛、手足の痛み双方で睡眠で休養が十分とれているか否かが痛みの有無に影響し、睡眠による休養が十分であると感じている者ほど痛みを感じにくいことが明らかとなった。これらの知見は今後実施予定の介入研究において、介入内容を検討するために大変有用な知見が得られたと考えられる。上記知見について、川崎医療福祉学会誌に投稿し、以下の論文として掲載された(壮・中年勤労者における腰痛・手足の痛みと健康診断結果の関連性に関する研究, 川崎医療福祉学会誌, 30(2), 547-555, 2021.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で研究対象者の募集、運動介入に関する研究が遂行できていない。今後の介入研究の推進が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに対象者の年齢層や状態に応じた介入方法検討のための基礎的なデータを収集してきた。しかしながら新型コロナウイルス感染症の伝搬拡大により、研究の遂行が滞っている。川崎医科大学附属病院健康診断センター受診者の勤労者から研究参加者を募り、ロコモティブシンドロームに関する評価、精神的健康状態に関する評価を実施したうえで、ロコモティブシンドローム予防のための介入を実施する。年齢層、精神的健康状態、ロコモティブシンドロームの程度などに応じた介入内容を検討する。精神的健康状態改善を目的とした運動介入を行うグループ、ストレッチングや筋力トレーニングなど一般的なロコモティブシンドローム改善のためのプログラムを行うグループの2群を設定し、ロコモティブシンドロームの予防効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はアメリカスポーツ医学会での研究成果の発表を計画し、学会発表を申し込んだが学会が中止となり、発表を取り下げた。このため、旅費から次年度使用額が生じた。また、介入研究を推進できておらず、研究成果分析用のSPSSを未購入のため次年度使用額が生じた。 2021年度は運動介入研究で使用するストレス評価のための検査費用、被験者謝金、一般血液検査費用、データ分析のためのSPSS購入費用、学会旅費に研究費を使用する。また英文添削費に研究費を使用する予定である。
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