研究課題/領域番号 |
18K10986
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柴田 愛 筑波大学, 体育系, 准教授 (30454119)
|
研究分担者 |
石井 香織 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (10548697)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 座位行動 / 職域 / デスクワーカー / マルチレベル介入 / 労働指標 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、就労者(特にデスクワーカー)の座位行動の実態やその関連要因を詳らかにし、それらの研究成果を基にした包括的介入プログラムを開発・施行し、座位行動の減少効果を明らかにすることである。本年度は昨年度に引き続き、わが国における就労者の座位行動の現状を把握するために、客観的に評価した座位行動の日内パターンについて探索した。具体的には、40~64歳の就労者405名を対象に、7日間連続の加速度計装着データから勤務日・非勤務日別に、午前・午後・夜間の座位時間を算出し、各時間帯の実態とそれに関連する社会人口統計学的要因について検討を行った。結果として、勤務日・非勤務日ともに座位時間は午前が最も少なく、夜間に向かって顕著に増加することが分かった。男性は女性と比較して、時間帯に関係なく座位時間が長いこと、就業日の午前や午後における座位時間は主に就業形態や教育歴が関連すること、余暇時間が含まれる午前や夜間では婚姻状況や飲酒習慣などが関連していることが明らかとなった。また、就労者の座位行動パターンに影響を及ぼすオフィス内外の環境要因(共有スペースの位置や数、スペース間の接続性、オフィス近隣の利便性など)を解明するために、インターネット調査会社の登録モニターの中から、20~59歳までの就労者を性および年齢階層で層化した上で無作為に抽出し、ウェブ調査を実施した。さらに、オフィス移転に伴う昇降デスクの導入によるオフィス環境の整備が、デスクワーカーの座位行動に及ぼす影響を明らかにするために、東京都内のIT系企業1社を対象に単群試験デザインによる予備的介入を施行した。今後は、インターネット調査および予備的介入のデータ分析を進め、学術論文の執筆・投稿を進めていく予定である。次年度は、本年度の研究成果を基に包括的介入プログラムを開発し、本試験を行うことを予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでは概ね予定通り推進しているが、年度末から続く新型コロナウイルスの影響で、次年度予定している介入プログラム開始が遅延する可能性が考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
概ね予定通り進展しているため、次年度、介入プログラムの実施および学術論文の準備・投稿を進めていく予定である。しかしながら、年度末から続く新型コロナウイルスの影響で、次年度予定している介入プログラム開始が遅延する可能性が考えられるため、引き続き介入実施企業と入念な打ち合わせを実施していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定してた介入プログラムの非ランダム化比較試験の実施時期が今年度から来年度初頭に若干変更なった。そのため、次年度に多くの本年度に使用予定であった研究費を使用する。また、研究成果を学術誌等にて発表するにあたり、学術誌掲載に向けた必要経費(専門的知識の提供のための人件費、英文校正費、掲載費など)についても次年度に使用予定である。
|