本研究では、脂溶性食品成分であるコエンザイムQ10(CoQ10)による細胞膜ドメインの変化および細胞膜ドメイン制御を介した上皮バリア機能の調節(安定化)機構について調べるために、細胞極性モニタリングシステムを構築するとともに、上皮細胞の極性形成過程に及ぼす影響(上皮バリア機能に対する作用)を検討した。CoQ10は細胞間接着依存的な上皮細胞のタイトジャンクション形成を早め、上皮細胞の極性化を促進することが明らかになった。その分子機構として、PI3キナーゼシグナルを介したatypical protein kinase Cの活性化により極性形成が促進されることが示唆された。
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