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2019 年度 実施状況報告書

ミトコンドリアストレス応答を介して寿命を延伸する化合物の同定と作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K10998
研究機関大阪市立大学

研究代表者

中台 枝里子 (鹿毛枝里子)  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40453790)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード寿命 / 線虫 / 医薬品化合物
研究実績の概要

ミトコンドリアストレス応答活性化と長寿が密接に関わることが線虫やマウスを用いた研究から明らかとなってきた。ヒト抗老化の標的として「ミトコンドリアストレス応答」を制御する介入が有効である可能性が考えられるが、当該作用を期待できる化合物はほとんどされていない。本研究の目的は、ミトコンドリアストレス応答を介して寿命延伸効果を発揮する食品化合物または疾病予防などに用いられる医薬品化合物を同定することである。目的の達成のため、以下の戦略をとった。まず1)線虫を用いてミトコンドリアストレス応答を活性化する化合物をスクリーニングした結果、複数の医薬品化合物を同定した。ヒット化合物は高血圧治療薬、狭心症治療薬、局所麻酔薬など多岐にわたった。経口薬をコンセプトとしているため、局所麻酔薬は除外した。2)ヒット化合物について線虫を用いた生存分析を行った結果、線虫の寿命を延伸させる化合物を1種類選別した。3)化合物の標的となる生体内経路を同定した。具体的には、当該医薬品の主作用の標的タンパク質を介して寿命延伸効果を発揮することが示唆された。4)ヒト培養細胞で検証した結果、当該医薬品を培地に添加することにより、ヒト培養細胞においてもミトコンドリアシャペロンが誘導されることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画1)線虫を用いたミトコンドリアストレス応答を活性化する化合物をスクリーニング、2)寿命延伸効果の評価、3)化合物の標的となる生体内経路の同定、4)ヒト培養細胞における検証、について、現在までに3)までをおおむね達成しており、4)についても目処が立っているため。

今後の研究の推進方策

当初計画通り、ヒット医薬品化合物について、線虫で得られた知見を哺乳類細胞で検証する。具体的には、ミトコンドリアストレス応答の誘導有無の検証、化合物の標的タンパク質の同定、を行う。

次年度使用額が生じた理由

スクリーニングが予定よりも順調に進んだため、次年度使用額が生じた。次年度スクリーニング以降の実験に使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] daf-16/FOXO isoform b in AIY neurons is involved in low preference for Bifidobacterium infantis in Caenorhabditis elegans2020

    • 著者名/発表者名
      Sun Simo、Ohta Akane、Kuhara Atsushi、Nishikawa Yoshikazu、Kage-Nakadai Eriko
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 150 ページ: 8~16

    • DOI

      10.1016/j.neures.2019.01.011

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Toll-like receptor homolog TOL-1 regulates <i>Bifidobacterium infantis</i>-elicited longevity and behavior in <i>Caenorhabditis elegans</i>2019

    • 著者名/発表者名
      SUN Simo、MIZUNO Yasuko、KOMURA Tomomi、NISHIKAWA Yoshikazu、KAGE-NAKADAI Eriko
    • 雑誌名

      Bioscience of Microbiota, Food and Health

      巻: 38 ページ: 105~110

    • DOI

      10.12938/bmfh.18-031

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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