本研究では、ミトコンドリアストレス応答を介して動物個体の寿命を延伸する化合物を同定することを目的とした。ミトコンドリアストレス応答の活性化を緑色蛍光タンパク質GFPで捉えることができる線虫を用いて、約3000種類の医薬品等化合物を評価した。その結果、高血圧治療薬であるメトラゾンを同定した。メトラゾンを投与した線虫の寿命を測定すると、投与しない線虫に比べて寿命が長くなった。また、メトラゾンによる寿命延伸効果は、ミトコンドリアストレス応答経路を介して発揮されることも確認した。また、メトラゾンの利尿剤としての標的タンパク質SLC12A3の線虫ホモログがその長寿作用に必要であることも明らかにした。
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