研究課題/領域番号 |
18K10999
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
日下部 辰三 国士舘大学, 体育学部, 教授 (80117663)
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研究分担者 |
羽田 克彦 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (60506228)
山本 欣郎 岩手大学, 農学部, 教授 (10252123)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 頚動脈小体 / シナプス可塑性 / 高血圧治療 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、動脈系化学受容器である頚動脈小体と本態性高血圧の関連性をシナプス可塑性の面から解明することを目的に取り組まれてきたが、昨年度は、形態学的検討としてラット頚動脈小体を対象に小胞性モノアミントランスポーターに対する抗血清を用いた免疫組織化学的観察を行い、小体内のチロシン水酸化酵素陽性であるドーパミン陽性細胞とドーパミンβ水酸化酵素陽性であるノルアドレナリン分泌細胞にどの様に局在するかを調べ、小胞性モノアミントランスポーターの関与について考察を加えた。さらに、生理学的検討として、ガラス管ステンレス電極で頚動脈小体を直接電気刺激することにより血圧変動が誘導される可能性を確認した。一方、前シナプスの入力パターン、細胞内カルシウム減衰時定数およびバックグラウンドシナプス活性に焦点を当て、刺激頻度依存性シナプス可塑性を数理解析し、ニューロンが同じ入力レートを受け取ったとしても、前シナプスの入力パターン、細胞内カルシウム減衰時定数およびバックグラウンドシナプス活性によって入力周波数以外の要因が発火周波数依存シナプス可塑性に関与することを示唆し、シナプス荷重が異なることを確認した。この結果は、入力周波数以外の多くの要因が発火周波数依存シナプス可塑性さらにはニューラルコーディングにも関与することを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 ラット頚動脈小体分岐部を、ガラス管ステンレス電極で直接電気刺激する予備実験から、明確な血圧変動が誘導されることを確認している。
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今後の研究の推進方策 |
近く完成しつつある微小鉄心コイル電極を用い小動物の頚動脈分岐部の反復磁気刺激を行なうことにより、頚動脈小体制御による血圧変動の可能性に期待している。最終的にはヒトへの応用を探り、新規かつ非侵襲的な高血圧資料法に繋げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に、ラット頚動脈小体用磁気刺激装置の改良を進め、より効率の良い反復磁気刺激実験を継続する予定である。改良型作成にかかる費用等を追加請求する。
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