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2020 年度 実施状況報告書

酪酸菌による体内脂肪再配分機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K11002
研究機関東海大学

研究代表者

加川 建弘  東海大学, 医学部, 教授 (30245469)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード脂肪肝 / メタボリックシンドローム / 筋肉 / 酪酸菌
研究実績の概要

2019年度までの研究では遺伝子操作可能なマウスを用いた脂肪肝モデルの作成を行ってきた。通常食飼育群、高脂肪食飼育群で飼育することにより、高脂肪食飼育群で脂肪肝マウスが多く作成できたが、個体差が大きく、安定した脂肪肝マウスモデルを作ることができなかった。また、投与した酪酸菌(Clostridium butyricum、MIYAIRI588)がマウスの腸管で安定して増殖せず、酪酸菌による脂肪肝抑制効果も明らかなものではなかった。そこで、2020年度は動物種をラットに変更し、条件設定を行った。通常食飼育群、高脂肪食飼育群で、食餌摂取量、体重、肝重量、肝中性脂肪、褐色脂肪組織重量、白色脂肪組織重量、腓腹筋量を測定した。高脂肪食飼育群では肝脂肪量が通常食飼育群に比し多かったが、有意差には至らなかった。その後、様々なストレインのラット、様々な脂肪肝作成のための食餌を用いて検討を重ねた結果、6~7週齢のF344ラットにコリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA食)を投与する方法が最も効果的に安定して脂肪肝を惹起することが判明した。また、酪酸菌がラット腸管で安定して増殖可能なことも確認した。予備実験では、CDAA食に酪酸菌の粉末を1.8%の割合で混ぜ(菌数:1.6cfu/g食餌)、自由摂取させた群で脂肪肝が有意に改善しており、酪酸菌による脂肪肝抑制効果も確認できた。2021年度はこのモデルを用いてメタボローム解析、トランスクリプトーム解析をおこない、酪酸菌による脂肪肝抑制機序の明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

酪酸菌による脂肪肝抑制効果を検証するための条件設定に時間がかかっており、実験計画が遅れている。さらに、新型コロナウイルス蔓延による移動の制限により、実験が計画通り進んでいない。

今後の研究の推進方策

脂肪肝ラットモデルの条件設定がほぼ終了したため、マイクロアレイやメタボローム解析により、酪酸菌による脂肪肝抑制のメカニズムを解析する。

次年度使用額が生じた理由

実験の条件設定に時間がかかったこと、新型コロナウイルス蔓延による移動制限により、実験計画が予定通りに進まなかったことにより、計画が予定より遅れている。そのため、実験計画を1年間延長し、2021年度に予算を繰り越して使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nineteen-year prognosis in Japanese patients with biopsy-proven nonalcoholic fatty liver disease: Lean versus overweight patients2020

    • 著者名/発表者名
      Hirose Shunji、Matsumoto Koshi、Tatemichi Masayuki、Tsuruya Kota、Anzai Kazuya、Arase Yoshitaka、Shiraishi Koichi、Suzuki Michiko、Ieda Satsuki、Kagawa Tatehiro
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 15 ページ: e0241770

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0241770

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease, NAFLD)患者の線維化改善に関する解析-複数回肝生検による予後解析-2020

    • 著者名/発表者名
      広瀬俊治、鶴谷康太、松本光司、加川建弘
    • 学会等名
      第56回日本肝臓学会

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公開日: 2021-12-27  

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