研究課題
基盤研究(C)
脂質メディエーターである脂肪酸アミド類を高感度に定量するために、質量分析と安定同位体希釈法を用いた脂肪酸アミドの高感度定量法を確立した。マウスの血中脂肪酸アミド濃度を定量したところ、LPS処理マウスの血中オレアミド濃度が低下することを見出した。オレアミドをLPS処理マウスに投与したところ、血中炎症性サイトカイン濃度の低下とマウスの生存率の上昇が認められた。またLPS刺激細胞の炎症性サイトカイン産生がオレアミド前処理によって抑制されたことから、オレアミドの抗炎症作用が示唆された。
細胞生物学
これまで脂肪酸アミドの脂質メディエーターとしての役割についての研究は多く行われている。今後恒常性維持の観点から、生体局所における脂肪酸アミドの定量や動向が重要となることが予想できる。本研究により構築した脂肪酸アミド類の高感度な定量法は、各種疾患と脂肪酸アミド類の相関の網羅的な解析や食品の機能性評価など、多くの分野への応用が期待できる。