研究課題/領域番号 |
18K11021
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
芳我 ちより 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (30432157)
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研究分担者 |
相田 敏明 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 講師 (60290722)
珠玖 隆行 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (70625053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 体格推移 / 小児期 / 成長曲線 / 生活習慣病予防 / 機械学習 / k-meas法 |
研究実績の概要 |
本研究は,成人期の体格および生活習慣病の発症を予測することのできる新たな成長曲線の開発を目指し、小児期から成人期までの体格推移を明らかにすることを目的としている。1年目は小児期の肥満ややせといった体格と関連する生活習慣や親の認識を探索し、睡眠習慣や親の養育態度を生活習慣因子として検討する必要性を明らかにした。 2年目である2019年度は、その継続および入手した幼児期から高齢期(最高年齢80歳)までのコホートデータの活用について検討した。その理由は、当該コホートデータは、データ登録日が多様であり、登録開始から終了期間までも一致しておらず、いわゆる欠損値の多いデータとなり非常に扱いが難しいためである。それに対し、昨年度は、これに対応可能な主成分分析を新たに検討して解析を試みたが、その結果は小児期において多様な体格を検出するものではなかった。今年度は、k-means法によりmodel-based cluster 分析を行った。過学習を抑制するためLASSO(Least Absolute Shrinkage Statistical Operator)により正則化を行った。その結果、男児は4つに、女児は3つに体格推移グループを分けることができた。また、肥満は男児で5歳、女児で4歳に決まる可能性も明らかにした。今年度の最大の成果は、機械学習を用いて、これまでできなかったハードクラスタリングにより小児の体格推移を分類したことである。この方法を用いて、成人期までのデータを使用し、ヒトの体格推移のモデル化しているところである。次年度の最終年度に向け、小児期のデータで成人期の体格を予測することができるように、小児期から成人期までの体格推移を表す数式を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の分析がうまくいけば、論文として発表できればと思っていたが、学術集会において発表したのみであった。そのうち、親の認識が子の体格に与える影響を検討した研究は、学術集会において優秀演題賞を受賞した。未発表とはいえ、現在、その研究論文を投稿中である。また、扱いの難しいデータではあったが、現在解析中であり、最終年度には、最後の論文を出版できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
小児期の体格推移に影響を及ぼす生活習慣の探索を継続しつつ、成果をまとめた論文を出版する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通りの使用となり、残額は経費の節約(出張経費に伴う格安航空チケットの利用、宿泊先の早割利用等)による見積もりとの誤差の範囲と考える。次年度も、大切な国費からの助成金であることを理解し、経費削減に努めながら、成果の取りまとめに係る論文発表費用などに使用する予定である。
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