概日リズムと食情報は、エネルギー代謝と血圧調節における重要な影響因子である。視床下部の視交叉上核は概日リズムを形成し、弓状核は食情報を感知する。二つの神経核からの情報は室傍核で統合され、エネルギー代謝と血圧の調節に寄与している事を明らかにした。特に、室傍核の概日リズムはインスリン分泌を制御する事、インスリンは視交叉上核の神経を活性化する事から、インスリンを介した概日リズムと食情報の相互作用によるエネルギー代謝調節機構が明らかになった。 さらに過剰な塩分摂取時に、弓状核ー室傍核の神経回路が血圧上昇を抑制する事を明らかにした。この結果は、食塩感受性高血圧の病態解明の一助となると考えられる。
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