研究課題/領域番号 |
18K11031
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
寺尾 晶 東海大学, 札幌教養教育センター, 教授 (10451402)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 食餌性肥満 / 抗肥満 / 睡眠の質 |
研究実績の概要 |
ローヤルゼリーには三大栄養素であるタンパク質・炭水化物・脂質をはじめとして、ヒトの健康に不可欠な必須アミノ酸の全てを含む21 種のアミノ酸、各種ビタミン・ミネラルなど40種類以上もの栄養素を含み、古くから健康全般に役立つ健康食品として珍重されている。抗肥満および睡眠の質改善をもたらすローヤルゼリーの有効成分を明らかにするため、今年度は、タンパク質成分の関与について検討した。具体的には、食餌性肥満マウスに酵素分解処理を施したローヤルゼリーあるいはローヤルゼリーを与えることにより、抗肥満および睡眠の質改善に与える影響を比較した。3週齢のC57BL/6J雄マウスを以下の3条件(1.高脂肪食、2.ローヤルゼリー5%含有高脂肪食、3.酵素分解ローヤルゼリー5%含有高脂肪食)にて19週間飼育し、22週齢の時点で睡眠と血液生化学の評価を行った。 ローヤルゼリー5%含有高脂肪食群は高脂肪食群に対し、体重、体脂肪率、血中のグルコースと中性脂肪量をいずれも有意に改善したが、酵素分解ローヤルゼリー5%含有高脂肪食群についてもローヤルゼリー5%含有高脂肪食群と同様の結果が得られた。また、ローヤルゼリー5%含有高脂肪食群は高脂肪食群に対し、覚醒・レム睡眠・ノンレム睡眠の三相間の移行頻度、レム睡眠とノンレム睡眠の断片化、浅眠の指標となる20秒以下の短時間覚醒回数をいずれも有意に改善したが、酵素分解ローヤルゼリー5%含有高脂肪食群についてもローヤルゼリー5%含有高脂肪食群と同様の結果が得られた。以上の結果から、ローヤルゼリーの有効成分のうちタンパク質以外の成分が食事性肥満マウスにおける抗肥満と睡眠の質を改善する作用に関与しているものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大防止のために大学入構制限が設けられた期間があり、今年度の動物実験スケジュールを大幅に見直すこととなった。しかしながら、入稿制限期間中には、これまでに取得した脳波と血液データの解析に当てることが出来たため、1年間で見ると若干の遅れにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
今回の実験結果により、ローヤルゼリーが抗肥満と睡眠の質を改善する効果をもたらすのは、タンパク質性以外の有効成分であると考えられた。デセン酸は、ローヤルゼリーにのみ含まれる特有の成分で有り、その含有量によってローヤルゼリーの品質が決定される。今後はデセン酸に睡眠の質を改善させる作用があるかどうかを調べていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会が中止を決定し、誌上開催となったことから旅費が未使用となった。未使用額については次年度に実施する動物購入に使用する予定である。
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