糖尿病の合併症に共通する重大なイベントとして血管障害があり、その起因物質の1つに終末糖化産物(AGEs)が挙げられる。しかしながら、その治療薬やAGEsの形成阻害剤などは未だ開発されておらず根本的な解決に至っていない。これまでに我々は、グアニンヌクレオチド変換因子であり、低分子量G蛋白質を活性化させるRasGRP2が血管内皮細胞に発現し、Rap1およびR-Ras経路を介してアポトーシスを抑制することを見出している。さらに本研究において、RasGRP2が両経路を介してAGEsによる血管透過性亢進を抑えることによって、血管障害の防御因子として働く可能性を明らかにした。
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