潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に潰瘍、糜爛を形成する原因不明の非特異性炎症疾患であり、クローン病とともに難病指定されている。O’Connellらは大腸粘液量の低下および質の変化と潰瘍性大腸炎発症との関係を示唆している。クローン病もJoossensらが同様の指摘をしている。これらの報告は大腸粘液を正常に分泌し続けることの重要性を示している。食物繊維は粘液分泌を促進するが、粘膜への物理的刺激や低pH刺激によるものが多く、腸管を傷めることなく粘液量を増大させる食物繊維はビートファイバーなどに限られている。本研究はこの機序を明らかにし、潰瘍性大腸炎およびクローン病の発症を低減させることに貢献すると考えられる。
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