本研究は、植物ポリフェノール(PP)の生理調節機能を、イムノメタボリズムにおける腸内細菌との関わりの観点から明らかにすることを目的として実施した。高脂肪食摂取マウスに小豆由来PPを投与したところ、腸内細菌叢の多様性が増大しインスリン抵抗性が軽減した。これに対して、抗生物質により予め腸内細菌を減少させていた場合、その効果はキャンセルされた。以上のことから、小豆由来PPは腸管において腸内細菌叢の多様性を高め、少なくとも部分的にはこれを介してインスリン感受性を高め、脂質や糖代謝の異常を軽減する作用を有することが示唆された。
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