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2022 年度 実績報告書

マイオカインとしてのタウリンの代謝調節作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K11050
研究機関福井県立大学

研究代表者

村上 茂  福井県立大学, 生物資源学部, 特命教授 (50740990)

研究分担者 伊藤 崇志  福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (80423119)
宮崎 照雄  東京医科大学, 医学部, 准教授 (60532687)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードタウリン / グリコーゲン / 抗酸化 / 糖尿病
研究実績の概要

本年度は引き続き、1型糖尿病モデルマウスにおけるタウリンの作用について解析を行い、成果をまとめ論文投稿を行った。
本研究の目的は、筋肉に蓄積されているタウリンが運動により血中に放出され、「マイオカイン」として働き、他の臓器や組織に作用してエネルギー産生等を変化させることにより、運動による健康増進効果の一端を担っているという仮説を証明することであった。最終年およびそれまでに実施した実験から、肝臓での糖代謝が乱れ高血糖を呈する1型糖尿病マウスにおいて、タウリン投与が肝臓グルコーストランスポーターGLUT2の発現を増加させることにより、肝臓のグリコーゲン減少を回復させ、高ケトン血症を改善することが明らかとなった。マイクロアレイ解析の結果から、タウリンによるグリコーゲン増加作用は、グリコーゲン合成に関わる酵素活性の亢進による可能性が示唆された。またタウリンは、糖尿病により上昇した肝臓、腎臓、すい臓等での酸化ストレスを改善した。したがって、血中のタウリン濃度の増加は肝臓では糖代謝を改善し、また肝臓を含む多くの臓器において抗酸化的な作用により組織保護作用を発現することが示された。
以上の結果から、運動の負荷により血中タウリンが増加すること、タウリン投与により肝臓のタウリン量が増加することを確認した。また、肝臓ではタウリンが糖尿病で変化した糖代謝を正常に回復させる作用や増加した酸化ストレスを軽減する作用を確認できた。運動時に筋肉からタウリンが遊離し、血中や尿中タウリンが増加することはこれまでに報告されている。本研究では、運動時に筋肉からどのような形でタウリンが放出されるかを直接証明する検討を試みたが、適切な方法を確立することはできず、この部分は証明できなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Taurine Ameliorates Streptozotocin-Induced Diabetes by Modulating Hepatic Glucose Metabolism and Oxidative Stress in Mice2022

    • 著者名/発表者名
      Murakami Shigeru、Funahashi Kohei、Tamagawa Natsuki、Ning Ma、Ito Takashi
    • 雑誌名

      Metabolites

      巻: 12 ページ: 524~524

    • DOI

      10.3390/metabo12060524

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 村上特命教授らの研究グループがタウリンによる血糖低下作用とその作用メカニズムを解明!

    • URL

      http://www.fpu.ac.jp/news_category/category/publicity/d154519.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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