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2019 年度 実施状況報告書

時計遺伝子CLOCKの遺伝子多型と小児肥満の関連解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K11052
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

中島 久和  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80363985)

研究分担者 森 潤  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20750011)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード小児肥満 / 生体リズム / 時計遺伝子 / CLOCK / BMAL
研究実績の概要

生活習慣と時計遺伝子の関連や影響について注目が集まっている。今回我々は生態リズムを司るとされる遺伝子CLOCKおよびBMALに焦点をあて、小児肥満との関連を調査している。肥満度20%以上の小児肥満を対象にCLOCK遺伝子およびBMAL遺伝子のの遺伝子多型(SNPs)を解析することを計画した。
CLOCK遺伝子の遺伝子多型(CLOCK SNP(s))について rs1801260 (3111T/C), rs1464490, rs3749474についてTaqman プローベを設計し、リアルタイム PCR を用いたTaqman SNP genotyping assay (Thermo Scientific 社製)にて解析を実施した。正常小児および小児肥満の研究参加者から体格測定、採血をおこなった。DNAは末梢血から抽出した。
小児肥満53例、正常対照 289例について遺伝子解析を行った。CLOCK rs1801260 (c.3111T>C)について検討した結果、Cアレルを持つ群(ジェノタイプCC+TC)はTアレルのみを持つ群(ジェノタイプ TT)に対して肥満のオッズ比 0.879 [信頼区間(95%CI), 0.447-1.731; p=0.865]の結果であった。CLOCK rs1801260遺伝子多型は小児肥満の出現に与える影響は少ないと考えられた。
CLOCK rs1464490 (T>C)に関しては、ジェノタイプTT群がジェノタイプCC+TT群に対して肥満のオッズ比が3.759 [信頼区間(95%CI), 0.447-1.731; p=0.00005]の結果で、このSNPは小児肥満の出現に関連する可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小児肥満と時計遺伝子CLOCKの遺伝子多型との関連を調査する研究を行っている。肥満度20%以上の小児肥満を対象にCLOCK遺伝子の遺伝子多型(SNPs)を解析することを計画した。CLOCK SNPsについてrs1464490, rs3749474, rs1801260 (3111T/C), rs4580704, rs4864548などについてTaqman プローベを設計し、リアルタイム PCR を用いたTaqman SNP genotyping assay (Thermo Scientific 社製)にて解析を実施中である
小児肥満53例、正常対照 289例について遺伝子解析を行った。CLOCK rs1801260 (c.3111T>C)について検討した結果、Cアレルを持つ群(ジェノタイプCC+TC)はTアレルのみを持つ群(ジェノタイプ TT)に対して肥満のオッズ比 0.879 [信頼区間(95%CI), 0.447-1.731; p=0.865]の結果であった。CLOCK rs1801260遺伝子多型は小児肥満の出現に与える影響は少ないと考えられた。
CLOCK rs1464490 (T>C)に関しては、ジェノタイプTT群がジェノタイプCC+TT群に対して肥満のオッズ比が3.759 [信頼区間(95%CI), 0.447-1.731; p=0.00005]の結果で、このSNPは小児肥満の出現に関連する可能性が考えられた。CLOCK rs3749474 (T>C)については同様に、オッズ比1.546 [信頼区間(95%CI),0.851-2.807; p=0.164]で肥満の頻度に与える影響は限定的と考えられた。CLOCK rs4580704, CLOCK rs4864548については現在、解析中である。BMAL SNPsについても解析の計画している。

今後の研究の推進方策

CLOCK rs4580704, CLOCK rs4864548については現在解析中であるが、症例数やSNPsでほかのrsナンバーのものも解析し、どのrsナンバーのSNPが有意義かを考察する。BMAL SNPsについても解析の計画している。さらには、CLOCK SNPs、BMAL SNPsによる体格指数、肥満症に関する血清パラメータ(血糖、HbA1c、HOMA-R, 血清脂質)に対する影響を調査する。生活パターンのアンケート調査との関連も調査することを進める。

次年度使用額が生じた理由

血清検体およびゲノム検体を保存するための冷凍庫を購入予定であったが、研究室の仕様変更などがあり、次年度の予定としたため予算の余剰が生じた。令和2年度は、余剰金もあわせて検体保存用の冷凍庫の購入を予定している。また、小児では欧州や中国における既報のSNPsの検討だけでは新しい知見が得られず、新規のものも合わせ遺伝子多型を多数のTaqmanプローべので検討しなければならない。その購入予算に充当する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Aging-associated impairment in metabolic compensation by subcutaneous adipose tissue promotes diet-induced fatty liver disease in mice2019

    • 著者名/発表者名
      Taketani Hiroyoshi、Nishikawa Tichiro、Nakajima Hisakazu、Kodo Kazuki、Sugimoto Satoru、Aoi Wataru、 Horike Shin-Ichi、 Meguro-Horike Makiko、 Ishiba Hiroshi、 Seko Yuya、Umemura Atsushi、 Yamaguchi Kanji、Moriguchi Michihisa、 Yasui Kohichiroh、 Itoh Yoshito.
    • 雑誌名

      Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity: Targets and Therapy

      巻: 12 ページ: 1473-1492

    • DOI

      10.2147/DMSO.S214093.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pituitary apoplexy after cardiac surgery in a 14-year-old girl with Carney complex: a case report2019

    • 著者名/発表者名
      Naito Yuki、Mori Jun、Tazoe Jun、Tomida Akimasa、Yagyu Shigeki、Nakajima Hisakazu、Iehara Tomoko、Tatsuzawa Kazunori、Mukai Tokuo、Hosoi Hajime
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 66 ページ: 1117~1123

    • DOI

      10.1507/endocrj.EJ19-0183

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ACE2 exerts anti-obesity effect via stimulating brown adipose tissue and induction of browning in white adipose tissue2019

    • 著者名/発表者名
      Kawabe Yasuhiro、Mori Jun、Morimoto Hidechika、Yamaguchi Mihoko、Miyagaki Satoshi、Ota Takeshi、Tsuma Yusuke、Fukuhara Shota、Nakajima Hisakazu、Oudit Gavin Y.、Hosoi Hajime
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism

      巻: 317 ページ: E1140~E1149

    • DOI

      10.1152/ajpendo.00311.2019

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] High-fat diet accelerates extreme obesity with hyperphagia and severe glucose intolerance in female heterozygous Mecp2 null mice2019

    • 著者名/発表者名
      Fukuhara Syota, Nakajima Hisakazu, Kodo Kazuki, Morimoto Hidechika, Tsuma Yusuke, Sugimoto Satoru, Mori Jun
    • 学会等名
      45th Annual Conference of ISPAD, Nov 1, 2019: Boston MA, USA
    • 国際学会
  • [学会発表] ACE2/Ang1-7/Mas receptorを介した褐色脂肪の活性化による抗肥満効果2019

    • 著者名/発表者名
      河辺 泰宏, 森 潤, 森元 英周, 宮垣 知史, 太田 武志, 都間 佑介, 中島 久和.
    • 学会等名
      第92回日本内分泌学会学術集会. 令和元年5月10日, 仙台
  • [学会発表] 頭痛・全身倦怠感を主訴に診断されたGitelman症候群の姉弟例2019

    • 著者名/発表者名
      中島久和,幸道和樹,森元英周,野津寛大
    • 学会等名
      第53回日本小児内分泌学会学術集会. 令和元年9月26日, 京都
  • [学会発表] 熱産生機構に注目したアンギオテンシン変換酵素2の抗肥満効果の検討.2019

    • 著者名/発表者名
      河辺泰宏,森潤,森元英周,都間佑介,中島久和
    • 学会等名
      第40回日本肥満学会・第37回日本肥満症治療学会学術集会 合同学術集会. 令和元年11月3日, 東京
  • [学会発表] IGF2遺伝子変異に起因するシルバーラッセル症候群の臨床的特徴.2019

    • 著者名/発表者名
      増永陽平, 矢本香織, 才津浩智, 井上毅信, 中川憲夫, 中島久和, 長谷川龍志, 大幡泰久, 難波範行, 鞍島有紀, 佐藤恭弘, 磯島豪, 小川英伸, 山口有, 古橋博史, 森貞直哉, 飯島一誠, 栗林良多, 鈴村宏, 藤澤泰子, 鏡雅代, 深見真紀, 緒方勤
    • 学会等名
      第92回日本内分泌学会学術集会. 令和元年5月10日, 仙台

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公開日: 2021-01-27  

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