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2019 年度 実施状況報告書

ポリアミンによる非アルコール性脂肪性肝炎の抑制効果と治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 18K11053
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

高橋 芳久  国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (70334381)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードポリアミン / 非アルコール性脂肪性肝炎
研究実績の概要

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の性差が最近話題になり、その頻度は50歳以前では女性が男性よりも低く、60歳以上では女性は男性と同等あるいはそれ以上であることが疫学調査で示されたので、NAFLD/NASHの動物モデルでも同様の現象が見られるかの検討を最初に行った。その結果、2種類のNAFLD/NASHモデルマウス(db/dbマウス、TSODマウス)の自然発生肝病変の性差は、ヒトと同様の年齢による変動を示すことが示された。次にdb/dbマウスに高脂肪高コレステロール食を負荷したNASHモデルの性差を検討したが、このモデルではヒトで見られるような年齢による性差の変動は明瞭でなかった。
以上のように、NAFLD/NASH動物モデルがヒトで見られる性差を正確に反映するかを確認した上で、NASH動物モデル(コリン欠乏メチオニン減量高脂肪食負荷db/dbマウス)に対する3種類の代表的ポリアミン(スペルミン、スペルミジン、プトレシン)の効果を調べる研究を開始した。1回目の予備実験では、同NASHモデルマウスの飲水に、塩酸によってpH7.4に調整した0.3mM、3mM、30mMの各ポリアミンを添加して、その作用を調べた。その結果、コントロール群に比して各ポリアミン投与群では血清AST、ALT値が明らかに高かった。pH調整のために加えた塩酸の影響を考慮し、同モデルマウスの飲水に、pH調整を行わない0.04g/L、0.4g/L、4g/Lのスペルミジンを添加して、その作用を調べるという2回目の予備実験を行った。その結果、0.4g/Lスペルミジン投与群ではコントロール群に比して血清生化学的、病理組織学的なNASHの所見は抑制される傾向が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

国際医療福祉大学医学部は新設の医学部であるため、研究環境がなかなか整わず、実験開始が遅れた。さらに、NAFLD/NASHの性差が最近注目されるようになり、動物モデルでもヒトと同様の傾向が見られるかの確認を最初に行ったため、ポリアミンの効果を調べる研究の開始がさらに遅れた。

今後の研究の推進方策

予備実験で、0.4g/Lスペルミジン(pH調整なし)の飲水投与がマウスのNASH病変を抑制することに関して有望な結果が得られたので、今後は同濃度のスペルミン、スペルミジン、プトレシンの効果を調べる本実験を行い、分子的解析まで行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画に比してやや遅れが生じたため残額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせて、3種類の代表的ポリアミンのNASHモデルマウスに対する効果を調べる本実験を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 遺伝・栄養の組合せによる非アルコール性脂肪性肝疾患モデルマウスの性差の検討2019

    • 著者名/発表者名
      エルデネツォグト ドゥングバト、俵 博祐、須藤光子、大藏直樹、高梨正勝、黒田雅彦、福里利夫、高橋芳久
    • 学会等名
      第9回国際医療福祉大学学会学術大会

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公開日: 2021-01-27  

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