研究課題/領域番号 |
18K11055
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
齋藤 義信 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 特任研究員 (40750261)
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研究分担者 |
小熊 祐子 慶應義塾大学, スポーツ医学研究センター(日吉), 准教授 (00255449)
今村 晴彦 東邦大学, 医学部, 助教 (40567393)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | グループ運動 / コミュニティづくり / ソーシャルキャピタル / ソーシャルサポート / エンパワーメント / フレイル / ロコモティブシンドローム |
研究実績の概要 |
本研究では、住民が主体的に集まってグループで実施する運動(グループ運動)の継続が、個人の身体機能・精神的健康の改善、社会的つながりの強化を通じて、ポピュレーションレベルでの身体活動促進と介護予防につながるという仮説を立て、藤沢市老人クラブ連合会の協力のもと、以下の研究を実施した。 はじめに、市内で普及する短時間・低強度運動プログラム「ふじさわプラス・テン体操(平均2.7メッツ)」のフレイル予防効果を検討した。10週間の非ランダム化比較試験を実施した結果、介入群の2ステップ値が有意に向上し、身体機能の向上が示唆された。 次に、会員個人向けの質問紙調査(回答者4,102名、回答率70.3%)より、グループ運動の身体的・精神的・社会的効果を共分散構造分析で検討した。グループ運動を含めた身体活動とソーシャルキャピタルは、運動器機能、認知機能、抑うつに直接的・間接的に影響することが明らかになった。また、グループ運動に月1~3回、および月4回以上参加している女性は、月1回未満の者と比較して、過去1年間の転倒経験が有意に少ないことが示された。 最後に、クラブ向けの質問紙調査により、グループ運動を継続するために必要な要素の抽出を試みた(COVID-19感染拡大により、予定したワークショップは中止)。グループ運動実施クラブは、COVID-19感染拡大の影響を受け、約20%ポイント低下した(2018年実施75.6%、2020年実施55.9%、2020年休止18.9%)。継続クラブでは、感染予防対策の他に、参加者の主体性を尊重した約束事(体調面の配慮、準備の協力など)があり、様々な役割(運動リーダー、会場・鍵等の管理、物品準備、連絡調整など)を分担していることがうかがえた。これらの要素がグループ運動継続に必要になることが示唆された。 以上の結果は、今後のグループ運動推進に貢献し得ると考えられる。
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