現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度は, CCL19が加齢性筋萎縮の原因であるか否かを確かめる事を目標とし, CCL19をマウスに継続投与した. その結果, CCL19によって遅筋化・筋萎縮が誘導され, 更にミトコンドリア代謝関連遺伝子群の低下も認めた. これは加齢時に認められる筋症状と類似していた. 同時に, CCL19による筋線維タイプ変換シグナル経路を同定する為, 筋線維タイプ変換を誘導する遺伝子Sirt-1が筋特異的に欠損したマウス対しCCL19を投与した結果, 筋線維タイプの変化, または筋萎縮は示さず, CCL19による遅筋化はSirt-1の発現を介した経路である事がわかった. 更に現在ではCCL19によるSirt1活性化を制御するシグナル経路を解明する為,CCL19で処理した筋管を用いて遺伝子発現解析を行っている. 以上の通り, 研究計画はおおむね予定通り進行している.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果から, CCL19は加齢性筋萎縮の要因の一つである可能性が考えられた. そこで令和2年度は, 1)CCL19阻害によって, 加齢性筋萎縮および遅筋化を抑制できるか否かを確かめる, 2)CCL19によるSirt1活性化を制御するシグナル経路を解明する為に網羅的な遺伝子発現解析を行い, 候補因子を同定する. 更に, 3)その制御因子によって筋線維タイプおよび代謝能が変化するか否か, あるいは4)加齢性筋萎縮を抑制できるか否かを明らかにする事を目指す.
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