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2018 年度 実施状況報告書

骨格筋の可塑性の制御におけるJMJD1Aとエピゲノムの役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K11069
研究機関東京大学

研究代表者

榊原 伊織  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (50734662)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード骨格筋 / エピゲノム
研究実績の概要

ヒストンH3の9番目のジメチル化リジン(H3K9me2)は転写の抑制マークとして知られており、H3K9me2が脱メチル化酵素により脱メチル化されることでその座位の遺伝子の発現が活性化される。H3K9me2の脱メチル化酵素JMJD1Aは熱産生、性決定、肥満など様々な生理機能を担う。骨格筋の肥大および、ファイバータイプ制御におけるJMJD1Aとエピゲノム変化との関係を解明する為に、Jmjd1a欠損マウスの解析を行った。Jmjd1a欠損マウスは腓腹筋、および、前脛骨筋の重量が低下し、筋萎縮が起こること、および、トレッドミル検査による持久運動機能も低下することを見出した。そこで、骨格筋の組織学的解析を行ったところ、筋線維の横断面積も低下することが明らかとなった。さらに、骨格筋のRNA-seqによるトランスクリプトーム解析を行い、原因となる遺伝子群の同定を試みたところ、Fbxo32などのタンパク質分解に関わる遺伝子の発現が上昇することが明らかとなったため、タンパク質分解の亢進が筋萎縮の原因であることが示唆された。骨格筋の表現型の原因臓器を特定するために、筋線維特異的にCre リコンビナーゼを発現するHSA-CREトランスジェニックマウスとJmjd1a floxマウスを掛け合わせ、筋線維特異的Jmjd1a欠損マウスを作製した。しかしながら、筋線維特異的Jmjd1a欠損マウスは運動能力、筋量とともに低下しておらず、Jmjd1a欠損マウスで見られた表現型は筋線維以外のJmjd1aによる作用であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

筋繊維特異的にCre リコンビナーゼを発現するHSA-CREトランスジェニックマウスとJmjd1a floxマウスを掛け合わせ、筋繊維特異的Jmjd1a欠損マウスを作製し、運動能力、腓腹筋、および、前脛骨筋量の計測が終了しているため、順調に研究が進行していると判断できる。

今後の研究の推進方策

本年度の研究から、Jmjd1a欠損マウスの骨格筋の表現型は骨格筋以外のJmjd1aによるものであることが示唆されたため、Jmjd1a欠損マウスの脂肪や、脳、血管などの他の臓器との臓器間連携を解析する必要が出てきた。そのため、脂肪特異的Jmjd1a欠損マウスの解析や、血管、神経系の解析を今後行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定したよりも安い試薬を使うことができ、予算を節約することができたため。

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公開日: 2019-12-27  

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