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2018 年度 実施状況報告書

急性腎障害後に持続するサルコペニアの成因および治療法の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K11070
研究機関浜松医科大学

研究代表者

加藤 明彦  浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (60324357)

研究分担者 藤倉 知行  浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (00444349)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードサルコペニア / 急性腎障害 / ユビキチン分解
研究実績の概要

本研究目的である「急性腎障害後に持続するサルコペニアの成因および治療法の解明」のため、平成30年度はマウスに2週類のAKIモデルを作成した。モデルとしては、1) 両腎とも存在する状態で左腎のみに35分間の虚血を加えた2-kidney 1-clipモデル、2) 1週間前に右腎摘したのち、左腎に虚血性AKI(15分間虚血+再灌流)を加えた1-kidney 1-clipモデルを用いた、AKI後14日目までの下腿骨格筋の重量を連続的に測定するとともに、骨格筋に特異的に発言するユビキチンリガーゼのMuRF-1およびAtrogin-1、骨格筋合成の内因性阻害蛋白であるミオスタチンの遺伝子発現を検討した。尚、骨格筋量減少には食事摂取量が大きく影響するため、虚血性AKIマウスと偽手術マウスで餌の投与量を同一するpair feedingを行った。
2-kidney、1-clipモデルでは、虚血後も血清クレアチニンの上昇は無く、pair-feedingしても骨格筋量に差を認めなかった。骨格筋内のMuRF-1およびAtrogen-1発現も虚血1日後に一過性に上昇したのみであり、7日後には偽手術群と差が無かった。
一方、1-kidney, 1-clipモデルでは虚血2日後に血清クレアチニンがピークとなるAKIが発症した。このモデルでは、食事摂取量が一貫してAKI群で少ないため、より慎重にpair-feedingを行い、食事摂取量と体重減少をsham群とAKI群で同一にすることができた。本モデルでは、虚血7日目に前脛骨筋群量が有意に減少し、骨格筋内のMurF-1、Atrogen-1およびミオスタチン発現が有意に増加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は、虚血性AKI後に下腿の骨格筋減少がみられること、その機序として筋蛋白合成の阻害蛋白であるミオスタチンおよび蛋白分解を促進するユビキチンリガーゼが骨格筋内で増加することから、AKI後のサルコペニアを確認できた。

今後の研究の推進方策

2019年度はAKI後に持続するサルコペニアに対する治療介入法として、トレッドミルによる定期的な運動と分岐鎖アミノ酸の投与を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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