我々の研究グループは、ミトコンドリアに局在したんぱく質の翻訳や代謝を制御する分子の一つであるp32に着目し、樹状細胞の代謝・活性化におけるミトコンドリアを介する経路の一つを明らかにした。その代謝経路の中で特にピルビン酸デヒドロゲナーゼという酵素が重要な因子であることを明らかにした。CPI-613という低分子化合物は、樹状細胞の活性化を阻害した。さらに、この阻害剤はマウスの卵白アルブミンを用いた卵アレルギーの病態モデルにおいて、p32部分欠損マウスと同様に卵白アルブミンに対する抗体産生量を減少させた。これらの結果により、卵アレルギーを含むアレルギー性疾患の創薬開発につながることが期待される。
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