研究課題/領域番号 |
18K11080
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
川上 祐生 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (30453202)
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研究分担者 |
高橋 吉孝 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10236333)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | リポキシゲナーゼ / 加熱処理 |
研究実績の概要 |
アラキドン酸代謝酵素やその代謝生成物を標的とする薬物や食品成分は、様々な疾患の治療と予防に役立つ可能性がある。食品素材の中には、調理加工を必要とするものもあり、これらは調理加工によって含有成分が大きく変化すると考えられるが、それらの情報については少ないのが現状である。本研究では、調理加工によって変化する食品成分のアラキドン酸代謝酵素に対する影響を検討することを目的とした。ここではまず、炎症性脂質メディエーターの生成に関わる5-リポキシゲナーゼへの影響を検討した。対象とする食品は、凍結乾燥、加熱処理、粉砕の後、80%エタノールで抽出した。5-リポキシゲナーゼの酵素活性に対する影響を検討したところ、多くの食品で非加熱のものと比べて、加熱処理したものの方が5-リポキシゲナーゼ活性を比較的強く阻害する傾向が認められた。検討した食品の中から最も阻害効果の高かったものを選択し、60℃~210℃、2~4分加熱し、5-リポキシゲナーゼの酵素活性に対する影響を検討した。その結果、加熱時間による違いは認められなかったが、低温から高温に加熱温度が変化するほど、酵素活性の阻害効果が高まる傾向が認められた。今後は、5-リポキシゲナーゼ以外のアラキドン酸代謝酵素の酵素活性、発現量への影響を検討するとともに、加熱処理による成分変化について調べ、どのような成分がどのようなしくみで酵素活性に影響を及ぼしているかについて検討を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験試料の調製において、複数の食品素材の細切、加熱処理、溶媒による抽出は、当初予期していたよりも多くの時間を費やしたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討では、加熱処理した食品について5-リポキシゲナーゼの酵素活性への影響を検討した。今後は、5-リポキシゲナーゼ以外のアラキドン酸代謝酵素の酵素活性、発現量への影響を検討する。さらに、どのような化合物がアラキドン酸代謝酵素の働きに影響しているかについて加熱処理前後での成分変化を比較することで検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予期していたよりもわずかに進行が遅れているため、一部の物品の購入や研究成果発表のための旅費の支出がなかった。次年度では、物品の購入ならびに研究成果発表のための旅費として使用する予定である。また、情報発信のためのホームページ開設費用としての使用も計画している。
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