研究実績の概要 |
長期UVA眼照射により皮膚の光老化(皮膚がん、しわ、色素沈着)および脳の光老化(記憶・学習能力の低下)が誘導され、脳および皮膚中において分泌されるホルモンであるCRHR type 2, OGFR, Urocortin 2, methionine enkephalinのレベルが変動する。これらの遺伝子が皮膚の老化と脳の老化に共通に関与していることを明らかにした。 次に、老化は慢性炎症と密接に関係していることより、脳および皮膚内慢性炎症について検討した。長期UVA眼照射では、脳の慢性炎症によりMicroglia(M1 macrophage)が活性化し炎症性のサイトカインを分泌し脳の老化を悪化させることが示唆された。さらにこの炎症性サイトカインはβ-amyloidやAGEsの蓄積を増加させ脳の老化をさらに悪化させる可能性も示唆された。興味深いことに脳中だけでなく皮膚においても長期UVA眼照射により慢性炎症状態となり、M1 macrophageの浸潤が増加し、炎症性サイトカインの分泌およびβ-amyloidおよびAGEsの皮膚内蓄積が増加した。 以上のことから、長期UVA眼照射により脳および皮膚中のホルモンバランスの変動および慢性炎症状態を誘導し光老化を誘導していることが示唆された。
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