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2019 年度 実施状況報告書

栄養サポートチーム(NST)における効率的・効果的な栄養評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18K11100
研究機関徳島大学

研究代表者

濱田 康弘  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (30397830)

研究分担者 鈴木 佳子  徳島大学, 病院, 副栄養部長 (80791706)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード栄養サポートチーム / 栄養評価
研究実績の概要

栄養管理は医療の根幹をなすもののひとつであり、栄養状態は予後に大きな影響を及ぼす。しかしながら、栄養管理のもととなる栄養スクリーニングや栄養アセスメントといったことに関してさえ、有用性に関するデータ、エビデンスが大幅に不足している。そこで、本研究は栄養評価に関するエビデンスを創出することを目的としている。さらに、本研究成果をもって、病院、診療所、在宅を問わず広く適切な栄養評価が実施されることにより、今後、いっそう進んでいく高齢化社会にも対応した医療のさらなる質の向上へとつなげていくことを念頭においている。
本研究は、大学病院内の栄養サポートチーム(Nutrition Support Team: NST)が介入する患者を対象として、主に栄養評価法の妥当性・有用性、栄養状態と有害事象、予後との関連を検討する臨床研究である。現時点で非侵襲的に利用可能なさまざまな栄養評価法を同時に実施し、各種栄養評価法の妥当性・有用性、栄養管理の重要性を検証しており、研究途中の解析ではあるものの、外来で入手可能な、問診と簡単な診察を主体としたスクリーニング法であるSubjective global assessment(SGA;主観的包括的栄養評価)や体格指数(BMI; Body mass index)について検討を行った結果、SGAにおいては、栄養状態良好群が不良群と比較して有意に予後が良く、また、BMIが高いほど予後が良いという知見が得られた。すなわち、SGA, BMIともに予後予測因子として有用であることがわかった。
また、NST対象患者において低ナトリウム血症が予後予測因子として有用である可能性を示唆する所見も得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現時点で、2013年度分、2014年度分、2015年度分の各種データ収集が終了し約1500名の介入患者データが集まった(ただし、重複している患者をすべては特定しきれていないため、正確な新規介入患者数はここから減少する)。
各種データについてもほぼ欠損なく順調に収集できており、近日中に本解析に進めると考えられるためおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

現時点で、2013年度分、2014年度分、2015年度分の各種データ収集が終了し約1500名の介入患者データ(ただし、重複している患者をすべては特定しきれていないため、正確な新規介入患者数はここから減少する)がデータベースとして登録できている。引き続き、徳島大学病院栄養サポートチームの新規介入患者の症例データの蓄積を行い、適切な時点で各種栄養評価法の有用性に関する解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

(理由)当初より3年間の研究期間を設定しており、症例及びデータ収集、確認が終了次第、解析に入る予定であった。データ収集、確認の終了予定が平成31年度
末であり、実際にはもうしばらく時間を必要としたため、次年度使用額が生じた。また、新型コロナウイルスの影響を鑑み参加予定であった学会、研究会が次々と中止または参加自粛となった影響もあった。
(使用計画)症例及びデータ収集、確認が終了次第、本解析作業に入る予定であり、次年度使用額と令和2年度請求額を合わせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (12件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 頭頸部癌化学放射線療法における悪液質・非悪液質でのNST介入効果の比較検討2020

    • 著者名/発表者名
      和田 京子、山田 苑子、北尾 緑、山中 彩夏、 林 遼、久保 みゆ、野村 聡子、鈴木 佳子、 濱田 康弘
    • 学会等名
      日本病態栄養学会
  • [学会発表] 入院患者全員を対象とした栄養スクリーニング体制の運用と課題2020

    • 著者名/発表者名
      井上 愛莉沙、小笠 有加、田尻 真梨、鈴木 佳子、濱田 康弘
    • 学会等名
      日本病態栄養学会
  • [学会発表] 消化器癌患者の術前評価におけるESPEN提唱栄養不良診断基準の各診断項目と予後との関連2020

    • 著者名/発表者名
      青谷 望美、山田 苑子、加木屋 菜津美、滝本 真望、 谷村 真優、鈴木 佳子、柏原 秀也、齋藤 裕、 島田 光生、濱田 康弘
    • 学会等名
      日本病態栄養学会
  • [学会発表] 食道癌初回化学療法開始前の細胞外水分比と有害事象との関連2020

    • 著者名/発表者名
      筑後 桃子、樫地 彩実、高須賀 姫乃、橋本 脩平、 田尻 真梨、井上 愛莉沙、鈴木 佳子、吉田 卓弘、 西野 豪志、井上 聖也、丹黒 章、濱田 康弘
    • 学会等名
      日本病態栄養学会
  • [学会発表] 低ナトリウム血症の予後予測因子としての可能性~栄養サポートチーム(NST)介入患者における生存率の検討~2020

    • 著者名/発表者名
      樫地 彩実、田尻 真梨、高須賀 姫乃、大石 琴乃、 井上 愛莉沙、筑後 桃子、菊井 聡子、山田 苑子、 鈴木 佳子、柏原 秀也、濵田 康弘
    • 学会等名
      日本病態栄養学会
  • [学会発表] NST介入例における頭頸部癌化学放射線療法中の体組成変化 BIA、エコー、メジャーを用いた評価2019

    • 著者名/発表者名
      山田 苑子, 古本 太希, 北尾 緑, 和田 京子, 久保 みゆ, 鈴木 佳子, 佐藤 紀, 加藤 真介, 神村 盛一郎, 武田 憲昭, 濱田 康弘
    • 学会等名
      日本リハビリテーション栄養学会
  • [学会発表] 肥満外科と代謝機能改善 スリーブ状胃切除における術前NLRと糖尿病改善についての検討2019

    • 著者名/発表者名
      柏原 秀也, 島田 光生, 吉川 幸造, 東島 潤, 宮谷 知彦, 徳永 卓哉, 西 正暁, 高須 千絵, 濱田 康弘
    • 学会等名
      日本消化器外科学会
  • [学会発表] 消化器癌患者における術前栄養・予後指標としてのPhase Angleの臨床的実用性の検討2019

    • 著者名/発表者名
      山田 苑子, 大岩 優, 齋藤 裕, 青谷 望美, 加木屋 奈津美, 谷村 真優, 菊井 聡子, 鈴木 佳子, 松村 晃子, 柏原 秀也, 島田 光生, 濱田 康弘
    • 学会等名
      日本外科代謝栄養学会
  • [学会発表] スリーブ状胃切除における多職種介入術前減量入院の効果とNLRによる術後減量効果予測2019

    • 著者名/発表者名
      柏原 秀也, 島田 光生, 吉川 幸造, 東島 潤, 宮谷 知彦, 徳永 卓哉, 西 正暁, 高須 千絵, 濱田 康弘
    • 学会等名
      日本外科代謝栄養学会
  • [学会発表] 周術期の体組成評価 サルコペニアの観点より2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤 裕, 濱田 康弘, 山田 苑子, 池本 哲也, 森根 裕二, 居村 暁, 島田 光生
    • 学会等名
      日本外科代謝栄養学会
  • [学会発表] スリーブ状胃切除における多職種介入術前減量入院の効果とNLRによる術後減量効果予測2019

    • 著者名/発表者名
      柏原 秀也, 島田 光生, 吉川 幸造, 東島 潤, 宮谷 知彦, 徳永 卓哉, 西 正暁, 高須 千絵, 濱田 康弘
    • 学会等名
      日本外科学会
  • [学会発表] 外科治療における多職種介入栄養管理-NSTが目指すアウトカム 当院における多職種介入による食道癌集学的治療のアウトカム2019

    • 著者名/発表者名
      井上 聖也, 吉田 卓弘, 西野 豪志, 鈴木 恵美, 山田 亮, 笹 聡一郎, 青山 万理子, 森本 雅美, 兼松 美幸, 後藤 正和, 武知 浩和, 丹黒 章, 樫地 彩実, 濱田 康弘
    • 学会等名
      日本外科学会
  • [図書] 新・栄養塾2020

    • 著者名/発表者名
      大村 健二・濱田 康弘
    • 総ページ数
      279
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      978-4260041355

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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