研究課題/領域番号 |
18K11111
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
福内 友子 帝京大学, 薬学部, 講師 (10389116)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プリン体 / 尿酸値 / 高尿酸血症 / 痛風 / 定量 |
研究実績の概要 |
本研究は、プリン体一斉分析(塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド)による食品中プリン体プロファイリングを作成するとともに、食品ごとの尿酸値上昇への影響を定量的に評価することを目的としている。乳製品は、痛風の発症抑制に有効であることが報告されており、摂取が推奨されているが、一方で大豆製品は痛風の発症や血清尿酸値上昇への影響について疫学調査ごとに報告が一致しておらず、プリン体含有量の違いが関与している可能性が考えられる。 昨年度までに大豆飲料と乳飲料を中心に食品のプリン体プロファイリングをしており、結果として、大豆飲料と乳飲料の分子種別のプリン体構成は全く異なるプロファイリングを示しており、大豆含有割合が多い大豆飲料はプリン体の含有量からも尿酸値上昇への影響が懸念されるという結果であった。本年度は、近年健康意識の高まりや環境問題への配慮から、大豆ミートへの期待が高まっていることから、形状や製法のことなる大豆ミートを対象としてプリン体プロファイリングを行った。結果として、大豆ミートは肉類と比較するとプリン体含有量はやや少なめであるが、豆腐や豆乳など他の大豆製品よりも多く、1食あたりの摂取量が多くなる場合には注意が必要であることが明らかになった。 今年度までに測定した食品中プリン体のプロファイリング結果と合わせて論文発表するとともに、痛風・高尿酸血症の患者や尿酸値が気になる方に向けて、ホームページにてプリン体値や献立メニューなどの情報を発信するための準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食品中プリン体のプロファイリングは順調に進んでいる。帝京大学薬学部臨床分析学研究室のホームページに「プリン体値計算プログラム」(https:// teikyo.purine-lab.com/purine/)を公開し、尿酸値が気になる一般の方々が利用できるようプリン体測定結果を随時更新している。さらに、多くの方のご意見・ご要望を反映して、高尿酸血症・痛風における食事療法の提案や尿酸値が気になる方の食生活の改善に役立てていただけるサイトを目指して、献立メニューなどを含むコラムを拡充した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに測定した食品中プリン体のプロファイリング結果を精査するとともに、ホームページにて公開しているプリン体値計算プログラムに、新規で測定した食品中プリン体値や献立メニューを追加して、さらに活用してもらえるようにアプリケーションを拡充していく予定である。また、食品中プリン体含有量は調理方法によって変化することが本研究成果により明らかになっていることから、プリン体値計算プログラムも調理方法による変化について反映できるような機能を実装していきたい。研究成果については、投稿中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度から続いて利用できる消耗品が多くあったため、次年度使用額が生じた。ホームページ拡充と成果発表のために次年度使用する予定である。
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