研究課題
骨格筋は姿勢維持や動作を生み出すといった運動器としての機能だけでなく、マイオカインとよばれる一群のタンパク質を分泌することによって全身の恒常性維持に重要な役割を果たしていることが明らかになってきている。これは、骨格筋の衰えや発育異常が運動機能のみならず、他の疾患の発症や増悪へと結びつくことを示している。我々は高血圧ラットにおいて病態依存的に骨格筋の発育低下がみられることを明らかにしており、この骨格筋の発育不良と疾患増悪が相互に影響を及ぼし合っているとの仮説を立てた。仮説を検証するために、脳卒中発症ラット(SHRSP)と正常血圧ラット(WKY)の骨格筋に対してマイクロアレイ解析を行い、これまでに骨格筋との関連性が報告されていない新規遺伝子群を見出した。本研究では、骨格筋機能に影響を及ぼすと考えられる新規遺伝子群に焦点を置き、骨格筋の発育低下と病態との相互関連性及び病態改善への有効性を明らかにする。今年度は脳卒中発症ラットの骨格筋において遅筋特異的な発育異常という病態への関連が強く示唆された遺伝子に絞り、骨格筋細胞株へ遺伝子導入を行った。骨格筋細胞への遺伝子導入に関して様々な検討をした結果、導入効率が高い方法をみつけたが、実験ごとの導入効率のばらつきが大きすぎたため、安定した結果が得られなかった。しかしながら、標的遺伝子に関して我々は他の研究から新規の知見を得たため、これを指標に研究を進めた。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Journal of Hypertension
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