研究課題/領域番号 |
18K11118
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森山 耕成 九州大学, 生体防御医学研究所, 共同研究員 (10265275)
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研究分担者 |
荻本 逸郎 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (30177159)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 亜鉛 / 低亜鉛血症 / 鉄 / アルブミン |
研究実績の概要 |
(1)共同研究施設であるA病院に1年以上入院中の高齢者64名の診療情報、および、この研究開始前にA病院にて収集した52名の情報を合わせて、血清中の銅、セレン、クロム、マグネシウムなどの濃度の相互関係、および、食事摂取量との関係について検討した。その結果、血清亜鉛濃度と強い相関を示す複数の微量元素が抽出された。また、A病院における対象者の爪の亜鉛濃度を測定し血液検査値等との関係を検討している。予備解析では、爪の亜鉛濃度と有意な相関を示す検査項目は認めていない。 (2)共同研究施設であるC病院において6か月以上入院している中高年者を対象とした調査を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行が収束しておらず病院への立ち入りが制限されたままのため調査を中断している。 (3)慢性C型肝炎などにおいて有用性が示されている鉄制限食の食事設計に寄与するツールとして、日本食品標準成分表2020をもとにした図表を作成した。 (4)本調査のこれまでの結果から、血清亜鉛濃度はアルブミン濃度に大きく依存していることが示唆された。この知見をもとに、低亜鉛血症者が真の亜鉛欠乏症か否かを判定するための、蛍光色素を用いた新たな血液検査法のを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行のため共同研究している病院への立入が制限されているため。
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今後の研究の推進方策 |
実験室において推進可能な「低亜鉛血症者が亜鉛欠乏症か否かを判定するための、蛍光色素を用いた新たな血液検査法の開発」に重点をおいて研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症COVID-19の流行のため共同研究している病院への立入が制限されているため、診療情報の取得、食事状況の聞き取り、採血とその検査ができなかった。入院患者全員のワクチンがいきわたらず、また高病原性の変異株の流行が懸念されており病院での調査の目途がたっていない。そのため、並行して実施の予定をしていた血清亜鉛濃度の蛍光色素を用いた解析の条件設定を進める。この検査法は、従来の血清亜鉛濃度の測定(低亜鉛血症を診断)とは異なり、真の亜鉛欠乏症の診断を目的としている。
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