亜鉛や銅は生命維持に必須の微量ミネラルである。申請者らが実施してきた傷病者の栄養調査では、低アルブミン血症者では「低亜鉛血症」を「真の亜鉛欠乏症」と判定し難い場合があることや、亜鉛濃度がアルブミン、血清脂質、銅、カルシウムの濃度に影響されることが示唆された。一方、他施設でのin vitro実験により、これらはアルブミン内の結合部位において相互に拮抗することなどが明らかにされつつある。本研究では、傷病者の血液検査情報を網羅的に解析することにより、血漿中の微量ミネラルのネットワーク、およびミネラルと脂質のクロストークの解明を試みた。
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