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2020 年度 実施状況報告書

生活習慣病の発症に対する肝内脂肪蓄積の直接的影響とそのメカニズムに関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K11132
研究機関大阪市立大学

研究代表者

福本 真也  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90381996)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード肝内脂肪量 / 内臓脂肪 / 2型糖尿病 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / キサンチン酸化還元酵素 / CKD / 生活習慣病
研究実績の概要

2018年度は主に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)あるいは肝内脂肪蓄積量と2型糖尿病(T2DM)との直接的関係について横断的に検討を行った。2018年度の検討から、T2DMの併存や発症リスクとNAFLDとの関連は直接的でなく内臓脂肪蓄積を介したものであることが示唆され、更に、肝内脂肪蓄積は内臓脂肪蓄積との相互作用を介してT2Dに関連することが示唆された。
上記の検討を基に2019年度では、横断研究の項目中、NAFLDや生活習慣病と関連する新規因子の探索として、NAFLDがT2DMを発症させる原因物質の候補の1つとして血漿中キサンチン酸化還元酵素(XOR)活性を検討した。任意期間中の健診レジストリからアルコール多飲者、血糖降下薬や尿酸降下薬内服者を除いた142名を対象として。インスリン抵抗性(HOMA-R≧2.5)に対するNAFLDの関連性を多変量ロジスティック解析にて検討した。インスリン抵抗性に対してNAFLDは内臓脂肪面積と独立した説明因子であったが、XOR活性を同解析モデルに投入するとNAFLDの関連性が消失し、XOR活性が説明因子として示された。このことから、NAFLDでは肝内のXOR活性を介してインスリン抵抗性を惹起し、内臓脂肪蓄積によるインスリン抵抗性と合わさって糖尿病発症の要因となる可能性が示唆された。
2020年度は、上記の関係としてXOR活性とインスリン抵抗性について、XOR活性が1年後のインスリン抵抗性を惹起することを、コホート研究により明らかにし、論文投稿を開始した。
長期目標であるコホート研究については、2015-2016年度にエントリーした対象者のフォローアップデータの回収を順次開始した。2020年度はコロナ禍にあり、健診受診率が低下したため、2021年度までデータ回収を継続することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

横断研究項目については概ねタイムスケジュールに沿った進捗であるが、コホート研究については、2020年度はコロナ禍で健診受診率が低下したため、2021年度までデータ回収を継続することとした。

今後の研究の推進方策

横断研究については、症例数を増やして解析を継続する。
コホート研究に関しては、2015-2016年度にエントリーした対象者の3年後以上の再診率が、2020年度のコロナ禍により健診受診率が低下したため、2021年度までデータ回収を継続する。また、解析対象者数が目標よりも少ない場合は、エントリー期間の延長等の研究計画修正も考慮に入れる。

次年度使用額が生じた理由

2015-2016年度にエントリーした対象者の3年後以上の再診率が、2020年度のコロナ禍により低下したため、研究計画が延長したのと同時に、有効期限のあるサンプル測定用キットの購入が減った。また、学会の開催が中止やリモートとなったため、旅費用の支出が減ったことによる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Independent association of plasma xanthine oxidoreductase activity with serum uric acid level based on stable isotope-labeled xanthine and liquid chromatography/triple quadrupole mass spectrometry: MedCity21 health examination registry.2020

    • 著者名/発表者名
      Kurajoh M, Fukumoto S, Emoto M, Murase T, Nakamura T, Ishihara T, Go H, Yamamoto K, Nakatani S, Tsuda A, Yamada S, Morioka T, Mori K, Imanishi Y, Inaba M.
    • 雑誌名

      Clin Chem Lab Med.

      巻: 58(5) ページ: 780-786

    • DOI

      10.1515/cclm-2019-0199

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Plasma xanthine oxidoreductase activity change over 12 months independently associated with change in serum uric acid level: MedCity21 health examination registry.2020

    • 著者名/発表者名
      Kurajoh M, Fukumoto S, Murase T, Nakamura T, Ishihara T, Go H, Yamamoto K, Nakatani S, Tsuda A, Morioka T, Mori K, Imanishi Y, Inaba M and Emoto M.
    • 雑誌名

      Clin Chem Lab Med

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1515/cclm-2020-0563

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Association of plasma xanthine oxidoreductase activity with blood pressure affected by oxidative stress level: MedCity21 health examination registry2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshida S, Kurajoh M, Fukumoto S, Murase T, Nakamura T, Yoshida H, Hirata K, Inaba M, Emoto M
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 10(1) ページ: 4437

    • DOI

      10.1038/s41598-020-61463-8

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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